睡眠

昼寝をしたら夜に眠れなくなったら? 昼寝と夜の睡眠を記録した研究でわかった立て直し方

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カラフルなクッションの横でソファに寝そべるビーグル犬
Photo: Slyronit / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

昼寝をしたら、夜になっても目がさえて眠れない。そんな夜は「昼寝なんてしなければよかった」と思いがちです。でも研究を見ると、昼寝そのものより「長さ・時刻・頻度」で夜への響き方が変わります。一晩眠れなかったのは失敗ではなく、明日の昼寝を少し動かせば立て直せるサインです。

3行でわかる

  1. 昼寝で「眠りたい圧力」が減るため、夕方の昼寝のあとは寝つくまでの時間が延びた実験があります。
  2. 夜に響きやすいのは長い昼寝・夜に近い昼寝・毎日の昼寝で、その日の短い昼寝の影響は小さいという研究が複数あります。
  3. 今夜は眠くなるまで待ち、明日の朝はいつもの時刻に起き、次の昼寝は寝る7時間以上前に短く終えるのが立て直しの順番です。

01 悩みの正体昼寝をすると夜に眠れなくなるのはなぜ?

昼寝は、起きている間にたまる「眠りたい圧力(睡眠圧)」を少し使ってしまうからです。夜に近い時刻の昼寝ほど、寝る時刻までに圧力がたまり直しません。

眠りは、起きている時間が長いほど強まる「睡眠圧」と、体内時計のリズムの2つで決まると考えられています。昼寝で眠ると、この睡眠圧が下がります。

Werthら(1996)の実験では、健康な若い男性が夕方の早い時刻に昼寝をすると、その夜は寝つくまでの時間が延びました。深い眠りの強さも、昼寝をしない夜より弱くなっていました。研究者は、この変化が睡眠圧の仕組みでほぼ説明できると結論づけています[6]。

つまり「眠れない」のは体が壊れたのではなく、圧力がまだたまっていないだけです。昼に眠った分、夜の眠気が来るのが遅れていると考えると、焦りが少し減ります。

02 科学的にわかっていること夜に響くのは、どんな昼寝?

夜の睡眠に響きやすいのは、長い昼寝、夜に近い時刻の昼寝、そして毎日のように続く昼寝です。一方、その日の昼寝1回の影響は小さかったという研究も複数あります。

Mograssら(2022)[1]

健康な若い大人62人(平均23.5歳)の睡眠を、腕時計型の計測器で8日間記録しました。夜の睡眠の7時間前より後に取った「遅い昼寝」は、7時間以上前の「早い昼寝」より、夜の睡眠の質が悪い結果でした。8日間に3回以上昼寝をした人は、1〜2回の人や昼寝なしの人より、夜の眠りが途切れがちでした。昼寝の長さ(60分以下か、60分より長いか)による差は出ませんでした。

対象: 健康な若い大人62人 / 限界: 人数が少なく、ふだんの生活を記録した研究なので、昼寝が原因とまでは言えません。

Leongら(2024)[3]

シンガポールの高校生153人(平均16.6歳)の記録では、昼寝は平均82分、始まりは平均で午後3時ごろでした。学校がある日に、自分のふだんより1時間長く昼寝をすると、その夜の睡眠は約29分短くなっていました。週末は、昼寝から起きる時刻が遅いほど寝る時刻も遅れていました。研究者は「昼寝が夜に悪く働くのは、長くて遅い場合に限られるかもしれない」とまとめています。

対象: 昼寝をする高校生153人(昼寝をしない人は除外) / 限界: 学業の負担が大きい進学校の生徒で、大人にそのまま当てはまるとは限りません。

約29分

ふだんより1時間長く昼寝をした日に、その夜の睡眠が短くなった時間(高校生153人・学校がある日)[3]

Meadら(2022)[2]

大学生384人が14日間、昼寝の長さを記録し、夜は計測器をつけて眠りました。昼寝が長かった日ほど、その夜は寝つくまでに時間がかかり、夜中に起きている時間も長くなっていました。反対に、前の夜の睡眠が短かった日は、翌日の昼寝が長くなる傾向もありました。

対象: 大学生384人 / 限界: 昼寝の長さは自己申告です。論文の要旨で確認できた範囲で紹介しています。

Chenら(2026)[4]、Campbellら(2005)[5]

大学1年生1,704人を5日間記録した研究では、その日の昼寝はその夜の睡眠にあまり影響していませんでした。一方、ふだんから昼寝をする人は夜の睡眠が悪く、寝つきが悪かった翌日は昼寝をしやすい、という悪循環の形が見えました。55〜85歳の32人を実験室で調べた研究でも、午後の昼寝はその夜の睡眠の質や長さにほとんど影響せず、1日の合計睡眠が増えて翌日の成績も上がりました。

対象: 大学1年生1,704人/健康な55〜85歳の32人 / 限界: 年齢も方法も異なります。Campbellらは実験室で決められた時刻に昼寝をした条件で、日常の昼寝とは違います。

研究対象と方法夜の睡眠との関係
Werthら 1996[6]若い男性・夕方の昼寝の実験寝つくまでの時間が延び、深い眠りが弱まった
Mograssら 2022[1]若い大人62人・8日間の記録遅い昼寝・頻繁な昼寝で悪化。長さでは差なし
Meadら 2022[2]大学生384人・14日間の記録長い昼寝の日ほど寝つきと夜中の目覚めが悪化
Leongら 2024[3]高校生153人・日々の記録長い昼寝で睡眠が短縮、遅い昼寝で就寝が遅れた
Chenら 2026[4]大学1年生1,704人・5日間の記録その日の昼寝の影響は小さく、習慣的な昼寝で悪化
Campbellら 2005[5]55〜85歳32人・実験室夜の睡眠にほとんど影響せず、1日の睡眠が増えた

研究どうしで「長さ」が効くかどうかは食い違っています。共通しているのは、夜に近い昼寝と、毎日の長い昼寝が夜の眠りと結びつきやすいという点です。

03 今日からできる小さな一歩昼寝で眠れない夜と翌日は、どう過ごす?

今夜は眠くなるまで布団に入るのを待ち、明日の朝はいつもの時刻に起きます。次の昼寝は、寝る7時間以上前に短く終えるのが、研究から考えられる立て直し方です。

1

今夜は、眠くなってから布団に入る

睡眠圧がたまるまで、暗めの部屋で本を読むなど静かに過ごします。布団で長く眠れないまま悩むより、いったん出るほうがよいという研究は「夜中に目が覚めて眠れないとき、布団から出るべき?」で紹介しています。

所要 眠気が来るまで

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明日の朝は、いつもの時刻に起きる

寝る時刻が遅れても、起きる時刻は動かしません。起きている時間が長くなるほど睡眠圧がたまるので、次の夜に眠気が戻りやすくなります。眠れなかった翌日の過ごし方は「眠れなかった夜のあと、どう立て直す?」も参考になります。

所要 0分(目覚ましをそのままにする)

3

次の昼寝は、寝る7時間以上前に終える

23時に寝るなら、16時までに起きる計算です。Mograssらの研究で、夜の睡眠の7時間以上前に取った昼寝は、それより遅い昼寝より夜の質がよい結果でした。

所要 時計を見て計算する1分

4

昼寝は短めにして、アラームをかける

長い昼寝の日ほど夜の寝つきが悪かった研究があるため、まずは短く切り上げます。何分がよいかは「昼寝は何分がいい?」にまとめています。

所要 アラーム設定10秒

04 続けるためのコツ昼寝と夜の不眠が毎日くり返すときは?

毎日昼寝が必要なほど眠いなら、まず夜の睡眠が足りているかを見直します。夜に眠れない→昼に眠る→また夜に眠れない、という循環が研究でも見えています。

夜に十分眠っているのに日中の強い眠気が続く、いびきや呼吸の止まりを指摘された、という場合は、睡眠の病気が隠れていることもあります。医療機関に相談してください。

05よくある質問

昼寝をしたら夜眠れなかった。昼寝はやめたほうがいい?

一晩だけなら、やめる必要はないと考えられます。大学1年生1,704人の研究では、その日の昼寝は夜の睡眠にあまり影響していませんでした。夜に響きやすいのは長い昼寝、夜に近い時刻の昼寝、毎日続く昼寝なので、まず時刻と長さを見直します。

何時までの昼寝なら、夜に響きにくい?

Mograssら(2022)の研究では、夜の睡眠の7時間以上前に取った昼寝のほうが、それより遅い昼寝より夜の睡眠の質がよい結果でした。23時に寝るなら16時までに起きるのがひとつの目安です。

夕方にうたた寝してしまったら、今夜はどうすればいい?

眠くなるまで布団に入らずに待ちます。夕方の昼寝のあとは寝つくまでの時間が延びた実験があり、早く布団に入ってもすぐには眠れないことが多いからです。翌朝はいつもの時刻に起きて、次の夜に眠気を取り戻します。

毎日昼寝しないと午後がもたないのは問題?

夜の睡眠が足りていないサインかもしれません。前の夜の睡眠が短い日や寝つきが悪かった日ほど、翌日に昼寝をしやすいという研究があります。夜の睡眠時間を見直しても強い眠気が続くなら、医療機関に相談してください。

出典

  1. Mograss, M., Abi-Jaoude, J., Frimpong, E., Chalati, D., Moretto, U., Tarelli, L., Lim, A., & Dang-Vu, T. T. (2022). The effects of napping on night-time sleep in healthy young adults. Journal of Sleep Research, 31(5), e13578. https://doi.org/10.1111/jsr.13578
  2. Mead, M. P., Huynh, P., Le, T. Q., & Irish, L. A. (2022). Temporal Associations Between Daytime Napping and Nocturnal Sleep: An Exploration of Random Slopes. Annals of Behavioral Medicine, 56(11), 1101–1109. https://doi.org/10.1093/abm/kaac006
  3. Leong, R. L. F., Tian, Y., Yu, N., Teo, T. B., Ong, J. L., & Chee, M. W. L. (2024). Bidirectional associations between the duration and timing of nocturnal sleep and daytime naps in adolescents differ from weekdays to weekends. Sleep, 47(9), zsae147. https://doi.org/10.1093/sleep/zsae147
  4. Chen, Y., Wei, Y., & Lei, X. (2026). Interrelationship between napping and nocturnal sleep: Insights from actigraphy and self-reported data. Physiology & Behavior, 309, 115291. https://doi.org/10.1016/j.physbeh.2026.115291
  5. Campbell, S. S., Murphy, P. J., & Stauble, T. N. (2005). Effects of a nap on nighttime sleep and waking function in older subjects. Journal of the American Geriatrics Society, 53(1), 48–53. https://doi.org/10.1111/j.1532-5415.2005.53009.x
  6. Werth, E., Dijk, D. J., Achermann, P., & Borbély, A. A. (1996). Dynamics of the sleep EEG after an early evening nap: experimental data and simulations. American Journal of Physiology, 271(3), R501–R510. https://doi.org/10.1152/ajpregu.1996.271.3.r501