習慣

習慣のリマインダー通知を無視するようになったら? 通知に慣れる研究でわかった立て直し方

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目覚まし時計
Photo: Nenad Stojkovic / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

習慣のために入れたリマインダー通知。最初は鳴るたびに動けていたのに、いつのまにか見ずに消すようになった。そんな経験は珍しくありません。研究では、同じ通知の効き目は数週間で薄れやすく、通知の数が多いほど反応が下がることがわかっています。あなたの意志が弱くなったのではなく、通知に慣れただけです。立て直しは、通知を減らして変えること、そして通知から「いつもの行動」へきっかけを移すことです。

3行でわかる

  1. 歩くことを促す通知を6週間送った実験では、初日に直後の歩数を約2倍にした効果が、29日目ごろには見分けられないほど小さくなりました。
  2. 医師112人の記録の研究では、1回の診察で受け取るリマインダーが1つ増えるごとに、応じる見込みが30%下がりました。
  3. 通知は「思い出させる係」です。毎日同じ時間・同じ場所でくり返すと、その場面そのものがきっかけになり、通知に頼らなくても動けるようになっていきます。

01 悩みの正体習慣の通知を無視してしまうのはなぜ?

同じ通知が同じ形で何度も届くと、人はそれに慣れて反応しなくなるからです。研究者はこれを「慣れ(馴化)」と呼びます。通知が多すぎたり、同じ内容のくり返しが多かったりすると、さらに起きやすくなります。

通知は、届いた瞬間に「あ、やらなきゃ」と思い出させてくれます。始めたばかりの習慣にはとても心強い味方です。

ただ、毎日同じ時刻に同じ文面が届くと、だんだん「いつもの音」になっていきます。目には入っているのに、体が動かない。指が勝手に通知を消している。これは怠けではなく、くり返される刺激に慣れていく、ごく自然な反応です。

通知そのものを忘れてしまう悩みとは少し違います。忘れる日が続くときの立て直しは、習慣を忘れてしまうときの研究にまとめています。

02 科学的にわかっていること通知の効き目は、時間とともに薄れる?

薄れることが多い、というのが今の研究の見方です。歩く通知の実験では効果が約1か月で見えなくなりました。ただし、時間がたっても効果が保たれた研究もあり、通知の数や送り方で違いが出ます。

Klasnjaら(2019)[1]

スマホで「少し歩きませんか」と促す通知を、1日最大5回の時刻ごとに、送るか送らないかをランダムに決めました。歩く通知は、初日は直後30分の歩数をおよそ2倍(107%、271歩)に増やしました。しかし効果は1日に約3%ずつ弱まり、29日目ごろには見分けられなくなりました。

対象: 歩く量を増やしたい、座りがちな大人44人(分析は37人、平均35.9歳)、6週間、通知は平均1日2.4回 / 限界: 人数が少なく、測ったのは通知直後30分の歩数だけです。参加者は退出時の聞き取りで、通知が「2〜4週間で退屈になった」と話していました。

29日目

歩くことを促す通知の効果が、送らなかったときと見分けられなくなった日(6週間の実験)[1]

Bidargaddiら(2018)[2]

職場の健康アプリで、健康のひとことを添えた通知を送ると、24時間以内に記録をつける人が3.9%増えました。この研究では、89日間で効果が弱まる傾向ははっきりしませんでした。効果は平日(2.5%)より週末(8.7%)に大きく、週末の昼12時半が最も大きくなりました(11.8%)。

対象: アプリ利用者1,255人、89日間 / 限界: 通知をオフにしていた62%の人は分析に入っていません。測ったのはアプリを開いて記録するかで、運動などの行動そのものではありません。

Anckerら(2017)[3]

電子カルテに出る注意やリマインダーに、医師などがどれだけ応じたかを3年半分の記録で調べました。1回の診察で受け取るリマインダーが1つ増えるごとに、応じる見込みは30%下がりました。同じ患者で何度も出るくり返しの割合が5ポイント増えるごとに、10%下がりました。一方、新しく始めたリマインダーへの反応は、時間がたっても下がっていませんでした。

対象: プライマリケアの医師など112人 / 限界: 仕事の場面の研究で、自分の習慣のための通知にそのまま当てはまるとは限りません。慣れの原因は「時間」より「数とくり返し」だった、という結果です。

Fry・Neff(2009・システマティックレビュー)[4]

メールや電話などで定期的に思い出させる方法を使った19の研究をまとめると、11の研究で役に立ったという結果でした。思い出させる回数が多いときや、担当者と直接やりとりがあるときに効果が高まった研究もありました。

対象: 19の研究、合計15,655人 / 限界: 長期の追跡をした研究がなく、行動が長く続くかは調べられていません。

回数が多いと効いたという結果と、多いと応じなくなったという結果は、一見ぶつかります。2つを合わせると、「思い出させること」自体は役に立つ一方、同じ形のくり返しが重なると慣れてしまう、と読めます。

研究対象時間がたつと
歩く通知 [1]大人37人・6週間効果が約1か月で見えなくなった
健康アプリの通知 [2]1,255人・89日間弱まる傾向ははっきりしなかった
電子カルテの注意 [3]医師など112人時間では下がらず、数とくり返しで下がった

03 今日からできる小さな一歩無視するようになった通知は、どう立て直す?

通知を1日1つに減らし、文面と時刻を変えます。そして通知の役目を「いつもの行動の後」に少しずつ移します。通知を増やして取り戻そうとするのは、逆効果になりやすい方法です。

1

通知を1日1つに減らす

同じ習慣の通知が朝・昼・夜と3つあるなら、いちばん動きやすい時刻の1つだけ残します。医師の研究では、一度に受け取る数が1つ増えるごとに、応じる見込みが30%下がりました。

所要 3分

2

文面と時刻を変える

「ストレッチの時間です」を「肩、固まってない?」のように変えます。時刻も30分ずらします。歩く通知の参加者は2〜4週間で退屈になったと話していたので、2週間ごとに変えるのを目安にします。

所要 2分

3

通知の文面に「いつもの行動」を書く

「歯みがきの後に、スクワット10回」のように、毎日必ずする行動とセットにします。毎日同じ時間・場所でくり返すと、その場面がきっかけを引き継ぎ、意識して思い出す必要が減っていきます[5]。

所要 2分

4

鳴ったら「1分版」だけやる

通知を消す前に、腕立てなら3回、本なら1行だけやると決めます。通知を「やるかどうか考える合図」ではなく「すぐ1分動く合図」にしておくと、見て消すだけのくせを止めやすくなります。

所要 1分

04 続けるためのコツ通知に頼らず習慣を続けるには?

通知は「卒業する前提の補助輪」と考えます。決まった場面でくり返すほど習慣は自動に近づき、通知が無くても動けるようになっていきます。1日休んでも、習慣づくりは大きく崩れません。

05よくある質問

リマインダー通知は、そもそも習慣づくりに役立つ?

役立ちます。定期的に思い出させる方法を調べた19の研究のまとめでは、11の研究で役に立ったという結果でした。ただし同じ通知に慣れると効き目は薄れやすく、6週間の実験では歩く通知の効果が29日目ごろに見分けられなくなりました。始めの数週間の補助として使い、場面をきっかけにする形へ移していくのがおすすめです。

通知を増やせば、また動けるようになる?

増やすのは逆効果になりやすいと考えられます。医師112人の記録の研究では、一度に受け取るリマインダーが1つ増えるごとに、応じる見込みが30%下がりました。数を増やすより、1日1つに絞り、文面や時刻を変えるほうが、慣れを防ぎやすい方法です。

通知はいつ送るのが効きやすい?

研究によって違い、まだはっきりした答えはありません。健康アプリ1,255人の研究では、平日より週末、特に週末の昼12時半ごろの通知が最も効いていました。ただ、これはアプリを開くかどうかの話です。自分が実際に動ける時刻を選ぶのがいちばん確かです。

出典

  1. Klasnja, P., Smith, S., Seewald, N. J., Lee, A., Hall, K., Luers, B., Hekler, E. B., & Murphy, S. A. (2019). Efficacy of contextually tailored suggestions for physical activity: A micro-randomized optimization trial of HeartSteps. Annals of Behavioral Medicine, 53(6), 573-582. https://doi.org/10.1093/abm/kay067
  2. Bidargaddi, N., Almirall, D., Murphy, S., Nahum-Shani, I., Kovalcik, M., Pituch, T., Maaieh, H., & Strecher, V. (2018). To prompt or not to prompt? A microrandomized trial of time-varying push notifications to increase proximal engagement with a mobile health app. JMIR mHealth and uHealth, 6(11), e10123. https://doi.org/10.2196/10123
  3. Ancker, J. S., Edwards, A., Nosal, S., Hauser, D., Mauer, E., Kaushal, R., & HITEC Investigators. (2017). Effects of workload, work complexity, and repeated alerts on alert fatigue in a clinical decision support system. BMC Medical Informatics and Decision Making, 17, 36. https://doi.org/10.1186/s12911-017-0430-8
  4. Fry, J. P., & Neff, R. A. (2009). Periodic prompts and reminders in health promotion and health behavior interventions: Systematic review. Journal of Medical Internet Research, 11(2), e16. https://doi.org/10.2196/jmir.1138
  5. Gardner, B., Lally, P., & Wardle, J. (2012). Making health habitual: The psychology of 'habit-formation' and general practice. British Journal of General Practice, 62(605), 664-666. https://doi.org/10.3399/bjgp12X659466