習慣

習慣をうっかり忘れる日が続いたら? リマインダーと「きっかけ」の研究でわかった立て直し方

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1950年代の目覚まし時計つきラジオ
Photo: Joe Haupt from USA / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

やる気はあるのに、気づくと夜になっていて「また忘れた」。そんな日が続くと、自分には向いていないと思いたくなります。でも、やろうと決めたことは、ふつうの記憶と同じように時間とともに薄れていきます。研究では、通知などのリマインダーで思い出す回数を補い、いつもの行動や決まった時刻に結びつけてくり返すと、やがてリマインダーなしでも動けるようになることが示されています。

3行でわかる

  1. 「やるつもり」の思い出しやすさは、ふつうの記憶と同じ速さで薄れる。うっかり忘れるのは、意志の弱さより記憶の性質による。
  2. 携帯電話のメッセージで思い出させると、薬の飲み忘れが減った(16件の試験・2,742人で、守れる見込みが約2倍)。リマインダーは忘れ対策として根拠がある。
  3. 「歯みがきの後」のような行動のきっかけでも、「夜8時」のような時刻でも、くり返すと同じように自動に近づいた(192人、ピークまで中央値59日)。

01 悩みの正体習慣をうっかり忘れてしまうのはなぜ?

「やるつもり」は、ふつうの記憶と同じように時間とともに思い出しにくくなるからです。習慣になる前の行動は、何かに思い出させてもらわないと抜け落ちやすい状態にあります。

Tobias(2009)は、人が「やるつもり」を思い出す仕組みと、習慣ができていく流れを、数式のモデルにしました[1]。キューバで行われた行動を変えるキャンペーンの記録を使って、モデルを調整・検証しています。その結果、次のことが示されました。

つまり、習慣になる前の段階でうっかり忘れるのは、ごく自然なことです。習慣が自動で動く仕組みそのものは習慣が「自動」で動く仕組みの研究で紹介しています。

02 科学的にわかっていること忘れる日が続くとき、何が助けになる?

外から思い出させるリマインダーと、毎日同じきっかけに結びつけることです。リマインダーは忘れを減らし、同じきっかけでくり返すうちに習慣がリマインダーの役目を引き継いでいきます。

Thakkarら(2016・メタ分析)[2]

携帯電話のメッセージで薬の飲み忘れが減るかを調べた、16件のランダム化比較試験をまとめました。メッセージを受け取った人は、指示どおりに薬を飲めている見込み(オッズ)が約2.1倍でした(オッズ比2.11)。研究の質で絞っても1.67、出版の偏りを補正しても1.68で、効果は残りました。1日1回送るかどうかなど、送り方の違いで効果は変わりませんでした。

対象: 慢性の病気がある大人2,742人(中央値39歳)、期間の中央値12週 / 限界: 多くの研究が自己申告で飲んだかを測っています。薬以外の習慣で同じ大きさの効果が出るとは限りません。

約2倍

メッセージで思い出させたときの、薬を指示どおりに飲めている見込み(オッズ比2.11、16件の試験)[2]

Kellerら(2021)[3]

食事に関わる習慣を1つ選んでもらい、「いつもの行動の後にやる」と決める組と、「決まった時刻にやる」と決める組にランダムに分けました。84日間、毎日記録してもらうと、どちらの組も実行の回数と自動さが同じように上がり、組の間に差はありませんでした。自動さを予測するカギは、決めたきっかけで実際にくり返すことでした。習慣ができた人では、自動さがピークに近づくまでの日数の中央値は59日でした。

対象: 18〜77歳の大人192人 / 限界: 食事の習慣だけを調べた研究です。59日は習慣ができた人の中央値で、人によって大きく違います。

Zhuら(2026・メタ分析)[4]

運動について、毎回同じきっかけで行うことと習慣の強さの関係を調べた14件の研究(6,069人)をまとめました。同じきっかけで行うほど、習慣は強く(相関0.20)、運動量も多い傾向でした(相関0.11)。運動量と結びついていたのは、決まった時刻と、いつもの行動というきっかけだけでした。

種類: 相関を調べた研究のまとめ / 限界: 効果は小さく、相関なので「きっかけを決めたから続いた」とまでは言えません。

立て直しに使える方法を、研究ごとに整理すると次のとおりです。

方法研究でわかったこと役割
通知・メッセージで思い出させる薬の飲み忘れが減った(オッズ比2.11)[2]いま忘れるのを防ぐ
いつもの行動の後にやる時刻で決めた場合と同じくらい自動に近づいた[3]習慣に育てる
決まった時刻にやるいつもの行動の後と同じくらい自動に近づいた[3]習慣に育てる
同じきっかけでくり返す回数を重ねると、習慣がリマインダーの役目を引き継いだ[1]リマインダーを卒業する

03 今日からできる小さな一歩忘れた習慣を、どう立て直す?

忘れたタイミングを確かめ、きっかけを「いつもの行動の後」か「決まった時刻」に結び直し、その瞬間に鳴るリマインダーを1つ置きます。準備は10分ほどで終わります。

1

忘れた日の「その時間に何をしていたか」を書く

忘れた回数を数えるより、忘れたときに何をしていたかを見ます。「帰宅後すぐスマホを見ていた」のように、きっかけが毎回ずれていた場所が見つかれば、そこを直します。

所要 3分

2

きっかけを1つに決め直す

「歯みがきの後」「コーヒーをいれたら」のような毎日必ずある行動か、「夜9時」のような時刻を1つ選びます。研究ではどちらも同じくらい効果がありました[3]。生活が日によって違う人は、時刻より行動に結びつけるほうが合わせやすいでしょう。

所要 3分

3

きっかけの瞬間にリマインダーを置く

スマホの通知を、決めた時刻かきっかけの直前に1つだけ設定します。行動に結びつけた場合は、歯ブラシの横にメモを置くなど、きっかけの場所に目印を置く方法もあります。

所要 3分

4

1か月ほど続いたら、通知なしの日を試す

十分な回数をくり返すと、習慣がリマインダーの役目を引き継ぐことがモデル研究で示されています[1]。通知を切ってみて忘れるなら、もうしばらく戻せば大丈夫です。

所要 1分

04 続けるためのコツまた忘れたときは、どう考えればいい?

1日忘れても、次のきっかけでやれば十分です。習慣を育てるのは、決めたきっかけで実際にくり返した回数です。忘れた日を取り返そうとせず、次の1回を逃さないことに集中します。

薬の飲み忘れが続くなど、健康に関わる場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談してください。

05よくある質問

習慣を何日か忘れたら、最初からやり直しですか?

やり直しにはなりません。Kellerら(2021)の研究では、習慣の自動さを予測するカギは、決めたきっかけで実際にくり返すことでした。忘れた日があっても、次のきっかけでまた実行すれば、その回数は積み上がっていきます。

リマインダーに頼ると、いつまでも習慣にならないのでは?

モデル研究では、十分な回数をくり返すと、約1か月で習慣がほぼでき、リマインダーの役目を習慣が引き継ぎました。最初は頼ってかまいません。1か月ほど続いたら、通知なしの日を試してみましょう。

きっかけは「時刻」と「いつもの行動」のどちらがいいですか?

192人の実験では、どちらも同じくらい習慣化が進み、差はありませんでした。毎日同じ時刻に動ける人は時刻、予定が日によって違う人は歯みがきや食事などいつもの行動に結びつけると、合わせやすいでしょう。

出典

  1. Tobias, R. (2009). Changing behavior by memory aids: A social psychological model of prospective memory and habit development tested with dynamic field data. Psychological Review, 116(2), 408-438. https://doi.org/10.1037/a0015512
  2. Thakkar, J., Kurup, R., Laba, T. L., Santo, K., Thiagalingam, A., Rodgers, A., Woodward, M., Redfern, J., & Chow, C. K. (2016). Mobile telephone text messaging for medication adherence in chronic disease: A meta-analysis. JAMA Internal Medicine, 176(3), 340-349. https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2015.7667
  3. Keller, J., Kwasnicka, D., Klaiber, P., Sichert, L., Lally, P., & Fleig, L. (2021). Habit formation following routine-based versus time-based cue planning: A randomized controlled trial. British Journal of Health Psychology, 26(3), 807-824. https://doi.org/10.1111/bjhp.12504
  4. Zhu, L., Tao, Y., Zhou, B., Ma, H., Kaushal, N., Ma, X., Guo, Y., et al. (2026). Not all cues are equal: A systematic review and three-level meta-analysis of context consistency, physical activity and habit strength. Applied Psychology: Health and Well-Being, 18(4), e70204. https://doi.org/10.1111/aphw.70204