チョコを食べすぎないには? 研究で効果が出た「15分歩く・遠くに置く・小さく出す」

「1かけだけ」のつもりが、気づけば1枚食べ終わっている。チョコでよくある悩みです。研究で効果が確かめられているのは、がまんする力に頼らないやり方です。欲しくなったら15分歩く、チョコを手の届かない所に置く、出す量を小さくする。この3つは、それぞれ実験で食べる量や「食べたい気持ち」が減りました。
3行でわかる
- 15分の早歩きのあと、チョコを食べたい気持ちは、座って休んだときより弱くなりました。職場をまねた実験では、歩いた人が食べたチョコは平均15.6gで、休んだ人の28.8gの約半分でした。
- お菓子を20cm先より70cm以上先に置くと、食べる人も量も減りました。12の研究をまとめたコクランのレビューでも、遠くに置くと食べる量が減っています(確かさは「低い」)。
- 大きい単位で出すと、人は多く取ります。小袋を1つだけ出して残りはしまう、味わいながら食べる、が実践しやすい形です。
01 悩みの正体チョコを食べすぎてしまうのは意志が弱いから?
チョコを食べすぎてしまうのは、意志が弱いからとは限りません。目の前にある、すぐ手が届く、袋ごと出ている、という環境が食べる量を押し上げることが、実験で繰り返し示されています。
食べる量は、その場の「置き方」や「出し方」で大きく変わります。人は、出された1つ分を「ちょうどいい量」と感じやすいことがわかっています。大きな袋なら大きな袋1つ分が、ひとかけらならひとかけらが基準になります。
また、チョコを見たり包みを開けたりすると、食べたい気持ちが強くなります。お菓子が欲しくなる仕組みは決まった時間や場所でお菓子が欲しくなる理由で、がまんが逆効果になる話は考えないようにするほど欲しくなる理由で書きました。この記事では、実際に食べる量を減らせたやり方に絞ります。
02 科学的にわかっていることチョコを減らすのに効いたやり方はどれ?
チョコを減らすのに効いたのは「15分歩く」「遠くに置く」「小さく出す」です。どれも実験で、食べたい気持ちか食べる量が減りました。ただし多くは1回きりの実験室の研究です。
| やり方 | わかったこと | 確かさ |
|---|---|---|
| 15分の早歩き | 食べた量が平均28.8g→15.6g。食べたい気持ちも弱まる | 同じ研究グループの実験4件 |
| 遠くに置く | 20cm先より70cm以上先で食べる量が減る | レビューで「低い」。追試は結果が分かれた |
| 小さい単位で出す | 大きい単位・大きいスプーンだと多く取る | 取る量の観察。食べた量は未測定 |
| 味わって食べる | 楽しさが増え、高カロリーのお菓子を食べる量が減った | 大学生の実験3件 |
Oh H, Taylor AH(2012)[2]
15分早歩きした人は、静かに休んだ人より、そばに置かれたチョコを食べる量が少なくなりました。平均で15.6g対28.8gで、約半分です。
対象: 普段からチョコを食べる78人(平均24.9歳)。2日間チョコを断ったあと、パソコン作業の休憩中に、量った器のチョコを自由に食べられる職場をまねた実験。 / 限界: 1回だけの実験室の結果で、長く続けたときの体重などは調べていません。
Taylor AH, Oliver AJ(2009)、Oh H, Taylor AH(2013)、Ledochowski Lら(2015)[1][3][4]
15分歩くと、チョコや甘いお菓子を食べたい気持ちが、休んだときより弱くなりました。2013年の実験では、歩いた後10分たっても弱いままでした。太り気味の人でも同じ結果でした。
対象: 2009年はチョコをよく食べる25人、2013年は女性58人(普通体重20人、太り気味21人、1週間以上チョコを断っていた17人)、2015年は甘いお菓子を毎日100g以上食べる太り気味の47人。同じ人が「歩く日」と「休む日」の両方を体験。 / 限界: 測ったのは気持ちで、食べた量ではありません。どれも同じ研究者が関わっています。
Maas Jら(2012)、Hunter JAら(2018)、Hollands GJら(2019, コクラン)[5][6][7]
お菓子の器を20cm先より70cmや140cm先に置くと、食べる人も量も減り、あとで食べたい気持ちが強まることもありませんでした。12研究・1,098人をまとめたコクランのレビューでも、遠くに置くと食べる量が中くらい減りました。
対象: Maasらは77人と54人、Hunterらは159人と246人。 / 限界: Hunterらの1つ目の実験では、差がはっきりしませんでした(近い条件で63.3%、遠い条件で53.8%が手を出した)。レビューも、証拠の確かさは「低い」としています。
Geier AB, Rozin P, Doros G(2006)、Arch JJら(2016)[8][9]
お菓子を大きい単位で置くと、人は重さにしてずっと多く取りました。大きいスプーンを添えたときも、チョコ菓子を多く取りました。また、味わって食べるよう短く指示された人は、チョコをより楽しみ、高カロリーのお菓子を食べる量が少なくなりました。
対象: Geierらは自由に取れるお菓子を人が取る量の観察。Archらは大学生計319人の3つの実験。 / 限界: Geierらは取った量で、食べた量そのものは測っていません。
03 今日からできる小さな一歩チョコを食べすぎないために、今日から何をする?
今日からするなら、欲しくなったら15分歩く、チョコを別の場所にしまう、1回分だけ出して残りは戻す、の3つです。どれも数分でできます。
欲しくなったら、15分だけ早歩きする
実験の歩き方は、自分のペースで少し息がはずむくらいでした。2015年の実験では、本人が感じたきつさは「比較的楽」程度でした。外に出られないときは、階段や室内の歩き回りでも構いません。
所要 15分
チョコを、手の届かない所へしまう
実験では、20cmと70cmの差でも食べる量が変わりました。机の上や引き出しではなく、立ち上がらないと取れない棚や別の部屋に置きます。中の見えない箱に入れるとさらに目に入りません。
所要 1分
1回分だけ出して、袋はすぐ戻す
人は出された1つ分を基準にしやすいので、大袋から直接食べず、個包装を1〜2個だけ小皿に出します。板チョコなら、食べる分だけ割って残りはしまいます。
所要 30秒
食べるときは、スマホを置いて味わう
香り、口どけ、甘さの変わり方に注意を向けて、ゆっくり食べます。研究では、短く「味わって食べる」よう指示された人は、食べる楽しさが増え、高カロリーのお菓子を食べる量が少なくなりました。
所要 3分
04 続けるためのコツチョコを減らす工夫を続けるには?
続けるコツは、チョコを禁止せず、食べる量と場所だけ決めることです。完全に断つと、かえって欲しくなることがあります。食べすぎた日があっても、次の1回から戻せば十分です。
- ゼロにしない: 考えないようにするほど欲しくなる研究があります。「1日に小袋1つ」のように、食べる形を決めるほうが続きます。
- 買い置きは小さい包装で: 家にある単位が小さいほど、1回に出す量も小さくなります。
- 欲しくなる時間を先に押さえる: 午後3時や夜の作業中など、決まった時間に欲しくなるなら、その時間に歩く予定を入れます。
- 食べすぎた日は責めない: 1回の失敗で全部やめたくなる心理はどうにでもなれ効果の記事にまとめました。歯への影響が気になる人はチョコと虫歯の記事も参考になります。
05よくある質問
チョコが食べたくなったら、どうすればいい?
研究で効果が確かめられているのは、15分ほど早歩きすることです。普段からチョコを食べる人の実験では、歩いた後は休んだときより食べたい気持ちが弱まり、そばにあるチョコを食べる量も平均28.8gから15.6gに減りました。
チョコはどこに置けば食べすぎない?
すぐ手が届かない所に置くのが効果的です。実験では、お菓子を20cm先から70cm以上先に離しただけで、食べる人も量も減りました。立ち上がらないと取れない棚や別の部屋、中の見えない箱がおすすめです。
小分けにすると本当に食べる量は減る?
人は出された1つ分を適量と感じやすく、大きい単位で出すと多く取ることが実験でわかっています。ただし、その研究は取った量を見たもので、食べた量そのものではありません。大袋から直接食べず、1回分だけ出すのが手軽です。
出典
- Taylor AH, Oliver AJ (2009). Acute effects of brisk walking on urges to eat chocolate, affect, and responses to a stressor and chocolate cue. An experimental study. Appetite, 52(1), 155-160. https://doi.org/10.1016/j.appet.2008.09.004
- Oh H, Taylor AH (2012). Brisk walking reduces ad libitum snacking in regular chocolate eaters during a workplace simulation. Appetite, 58(1), 387-392. https://doi.org/10.1016/j.appet.2011.11.006
- Oh H, Taylor AH (2013). A brisk walk, compared with being sedentary, reduces attentional bias and chocolate cravings among regular chocolate eaters with different body mass. Appetite, 71, 144-149. https://doi.org/10.1016/j.appet.2013.07.015
- Ledochowski L, Ruedl G, Taylor AH, Kopp M (2015). Acute effects of brisk walking on sugary snack cravings in overweight people, affect and responses to a manipulated stress situation and to a sugary snack cue: a crossover study. PLoS One, 10(3), e0119278. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4356559/
- Maas J, de Ridder DT, de Vet E, de Wit JB (2012). Do distant foods decrease intake? The effect of food accessibility on consumption. Psychology & Health, 27(Suppl 2), 59-73. https://doi.org/10.1080/08870446.2011.565341
- Hunter JA, Hollands GJ, Couturier DL, Marteau TM (2018). Effect of snack-food proximity on intake in general population samples with higher and lower cognitive resource. Appetite, 121, 337-347. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5768324/
- Hollands GJ, Carter P, Anwer S, et al. (2019). Altering the availability or proximity of food, alcohol, and tobacco products to change their selection and consumption. Cochrane Database of Systematic Reviews, 9, CD012573. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6953356/
- Geier AB, Rozin P, Doros G (2006). Unit bias. A new heuristic that helps explain the effect of portion size on food intake. Psychological Science, 17(6), 521-525. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2006.01738.x
- Arch JJ, Brown KW, Goodman RJ, et al. (2016). Enjoying food without caloric cost: The impact of brief mindfulness on laboratory eating outcomes. Behaviour Research and Therapy, 79, 23-34. https://doi.org/10.1016/j.brat.2016.02.002


