気分・ストレス

深呼吸や瞑想で、かえって不安になったら? リラックス法が合わないときの立て直し方を研究で調べた

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岩場と小石の静かな海岸
Photo: Jules Verne Times Two / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

落ち着こうとして深呼吸や瞑想をしたのに、かえって胸がざわざわした。そんな経験があっても、やり方が下手だったとは限りません。研究では、瞑想の経験がある人の約4人に1人が、不安を感じたことがありました。多くは一時的で、無理に続けず、やり方を変えたり量を減らしたりするのが立て直しの基本です。1週間以上続くときや、生活に支障が出るときは、専門家に相談してください。

3行でわかる

  1. 瞑想の経験があるアメリカの434人の調査では、50.0%が何らかの好ましくない体験を、27.0%が不安を報告した。生活に支障が出たのは10.6%だった。
  2. 気分の落ち込みがある96人がマインドフルネスのプログラム(8週間)を受けた研究では、37%が生活への悪い影響を、約9%が1週間以上続く影響を報告した。
  3. 不安や落ち込みが強い人ほど、リラックス中に不安が高まりやすい。合わないときは無理に続けず、別のやり方に変える・時間を減らすのが研究から言える立て直し方。

01 悩みの正体リラックスしようとすると不安になるのはなぜ?

緊張がゆるむ変化そのものに、心がついていけないことがあるからです。心配しやすい人や落ち込みやすい人は、気分が急に下がる「落差」に敏感で、リラックスの最中に不安が高まりやすいことが実験で示されています。

リラックスの練習中に、逆に不安が強まることは「リラクセーション誘発性不安」と呼ばれ、心理療法の分野で知られています[5]。

大学生89人の実験では、10分間、筋肉をゆるめる練習と腹式呼吸をしてもらいました[4]。心配ごとが止まらない傾向の人と、抑うつ傾向の人は、ほかの人よりリラックス中の不安が高くなりました。

その差の一部は「いい気分から急に落ちる落差を避けたい」という傾向で説明できました[4]。気をゆるめると、次に来る不安に備えられない気がしてしまうのです。

瞑想で起きる好ましくない体験も、多くは、胸のざわつきのような覚醒の高まりや、現実感が薄れる感じに当てはまりました[3]。

02 科学的にわかっていること瞑想や深呼吸で不安になるのは、よくあること?

珍しいことではありません。割合は調べ方で大きく変わり、実験では3.7%、調査では33.2%というまとめがあります。多くは一時的で、長く続く人は少数でした。

Fariasら(2020)[1]

瞑想の好ましくない体験を報告した83の研究(計6,703人)をまとめました。全体の割合は8.3%で、実験では3.7%、観察研究では33.2%でした。研究の中で最も多く報告されたのは不安で、うつ、考えや感覚の異常が続きました。

対象: 瞑想を行った大人(ヨガのポーズなどは除く) / 限界: 研究によって調べ方がばらばらで、割合の幅が大きくなっています。

Goldbergら(2022)[2]

瞑想の経験があるアメリカの434人に尋ねました。50.0%が少なくとも1つの好ましくない体験を報告し、最も多いのは不安(27.0%)でした。生活に何らかの支障が出た人は10.6%で、支障が1か月以上続いた人は1.2%でした。

対象: 年齢・性別・人種の構成をアメリカの人口に近づけて集めた大人 / 限界: 1回の調査で、瞑想が原因かどうかは決められません。

Brittonら(2021)[3]

気分の落ち込みがある96人が、8週間のマインドフルネス認知療法を受けました。終了から3か月後に聞き取ると、58%が悪い体験を、37%が生活への悪い影響を報告しました。1週間以上続いた人は約9%、1か月以上は約6%でした。体験の88%は、練習中か練習の直後に起きていました。

対象: 18〜65歳の大人、73%が女性 / 限界: 最後まで参加した人だけの結果です。3か月後の思い出しのため、数え漏れもありえます。

KimとNewman(2019)[4]

大学生89人に、10分間のリラクセーションを2回してもらいました。心配が止まらない傾向の人(28人)と抑うつ傾向の人(32人)は、どちらでもない人(29人)より、リラックス中の不安の得点が高くなりました。

対象: アメリカの1つの大学の学生 / 限界: 治療を求めている人ではなく、自己申告の結果です。因果関係はわかりません。

27.0%

瞑想の経験がある人のうち、瞑想に関連して不安を経験した人の割合(アメリカの434人の調査)[2]

研究好ましくない体験長く続いた・支障
83研究のまとめ(6,703人)8.3%(実験3.7%、観察研究33.2%)[1]研究によりさまざま
瞑想経験者の調査(434人)50.0%、うち不安27.0%[2]支障10.6%、1か月以上の支障1.2%[2]
8週間のプログラム(96人)悪い体験58%[3]生活への影響37%、1週間以上約9%[3]

03 今日からできる小さな一歩瞑想や深呼吸で不安になったら、どうすればいい?

その場で無理に続けず、いったんやめて大丈夫です。次からは、別のリラックス法に変えるか、時間を短くします。1週間以上続く、生活に支障が出るときは、医療機関などに相談してください。

1

その場で無理に続けない

心理療法で害を避けるための提言では、練習を無理強いせず、続けるかどうかを本人が決めることが基本とされています[5]。

所要 すぐ

2

何が起きたかを短くメモする

何分目に、どんな感じがしたかを書きます。研究では、ざっくり尋ねるだけでは、体験した人の約7割を見落としていました[3]。具体的に振り返ると、自分の傾向が見えやすくなります。

所要 2分

3

別のやり方に変えてみる

リラックス法で不安になる人には、別の種類のリラックス法を試すことが勧められています[5]。たとえば、じっと座る代わりに短い運動や外を歩く時間にします。

所要 10分

4

再開するなら、短く・少なく

影響が1週間以上続いた人は、プログラムの後に日常で練習する回数が多い傾向でした(週13.5回と4.3回)[3]。再開するときは短い時間から始めます。

所要 1〜3分から

04 続けるためのコツ不安になったら、瞑想はやめたほうがいい?

不快な体験があっても、それだけで害があったとは限りません。瞑想をした人の88.7%は「やってよかった」と答えていました。ただし、つらい体験が長引くときや、過去のつらい記憶がよみがえるときは、一人で続けないことが大切です。

05よくある質問

瞑想で不安になるのは、やり方が間違っているからですか?

そうとは限りません。瞑想の経験があるアメリカの434人の調査では、27.0%が瞑想に関連した不安を経験していました。不安や落ち込みが強い人ほどリラックス中に不安が高まりやすいこともわかっていて、やり方の上手・下手だけの問題ではありません。

瞑想アプリで気分が悪くなったら、やめるべきですか?

その場で無理に続ける必要はありません。いったんやめて、時間を短くするか、歩くなど別のリラックス法に変えてみてください。434人の調査では、アプリで瞑想を始めた人で1日以上の支障が多い傾向がありましたが、該当者は17人と少なく、はっきりしたことは言えません。

どんなときに専門家に相談したほうがいいですか?

不安やざわつきが練習をやめても1週間以上続くとき、眠れない・仕事や家事が手につかないなど生活に支障が出るとき、過去のつらい記憶がよみがえるときです。研究でも、1週間以上続く影響を報告した人は約9%いました。一人で抱えず、医療機関などに相談してください。

出典

  1. Farias, M., Maraldi, E., Wallenkampf, K. C., & Lucchetti, G. (2020). Adverse events in meditation practices and meditation-based therapies: A systematic review. Acta Psychiatrica Scandinavica, 142(5), 374-393. https://doi.org/10.1111/acps.13225
  2. Goldberg, S. B., Lam, S. U., Britton, W. B., & Davidson, R. J. (2022). Prevalence of meditation-related adverse effects in a population-based sample in the United States. Psychotherapy Research, 32(3), 291-305. https://doi.org/10.1080/10503307.2021.1933646
  3. Britton, W. B., Lindahl, J. R., Cooper, D. J., Canby, N. K., & Palitsky, R. (2021). Defining and measuring meditation-related adverse effects in mindfulness-based programs. Clinical Psychological Science, 9(6), 1185-1204. https://doi.org/10.1177/2167702621996340
  4. Kim, H., & Newman, M. G. (2019). The paradox of relaxation training: Relaxation induced anxiety and mediation effects of negative contrast sensitivity in generalized anxiety disorder and major depressive disorder. Journal of Affective Disorders, 259, 271-278. https://doi.org/10.1016/j.jad.2019.08.045
  5. Baer, R., Crane, C., Miller, E., & Kuyken, W. (2019). Doing no harm in mindfulness-based programs: Conceptual issues and empirical findings. Clinical Psychology Review, 71, 101-114. https://doi.org/10.1016/j.cpr.2019.01.001