集中力

短い瞑想で集中力は戻るのか。研究でわかった「数分」の効果

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Dry zen garden at Portland Japanese Garden
Photo: Laurascudder / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

メールの通知やふとした雑念で、集中していたはずの作業から意識がそれてしまうことは誰にでもあります。そんなとき「数分だけ目を閉じて瞑想すれば頭がすっきりする」という話を聞いたことがあるかもしれません。意志が弱いからではなく、注意の仕組みの問題だとしたら、短い瞑想にはどんな根拠があるのでしょうか。

3行でわかる

  1. 1日20分・5日間という短い瞑想訓練でも、注意をコントロールする脳のネットワークに統計的に有意な変化が確認されました。
  2. たった10分のガイド付き瞑想を聞いた直後、何もしなかった人より注意課題の正答率や反応速度が上がった実験もあります。
  3. 「呼吸に意識を戻すだけ」より、浮かんだ考えを責めずに受け流す練習を加えた方が、雑念は減りやすいことも研究でわかっています。

01集中が切れるのは、意志の弱さではない

集中が切れるのは、意識を一点に保つ脳の「実行系注意ネットワーク」が働きにくくなっているサインです。性格や根性の問題ではありません。

私たちの注意は、放っておくと自然にあちこちへさまよいます。これは心理学で「マインドワンダリング」と呼ばれる現象で、誰にでも起こります。

瞑想の練習が注目されているのは、呼吸やからだの感覚に意識を戻す動作そのものが、さまよった注意を一点に引き戻す「筋トレ」のような役割を果たすと考えられているからです。長年の瞑想者だけでなく、数日・数分という短い練習でも変化が報告され始めています。

02科学的にわかっていること

数日間・数分間というごく短い瞑想でも、注意に関わる脳の働きや課題の成績に変化が見られたと複数の研究が報告しています。

Tangら(2007)[1]

健康な大学生80名を、5日間・1日20分の瞑想訓練グループと、同じ時間のリラクゼーション訓練グループにランダムに分けたところ、瞑想グループの方が注意ネットワークテストの成績で統計的に有意な改善を示しました(執行系ネットワークの交互作用 F(1,78)=10.839, P<0.01)。不安・怒り・疲労も瞑想グループでより下がりました。

対象: 健康な大学生80名(平均21.8歳) / 限界: 中国の大学生という限られた集団での結果。

Norrisら(2018)[2]

瞑想経験のない参加者に10分間のガイド付き瞑想音声を聞かせたところ、同じ長さの朗読音声を聞いたグループより、直後の注意課題で正答率が高く(95% 対 91%、p=0.044)、別の実験では反応時間も速くなりました(約530ミリ秒 対 約566ミリ秒、p=0.023)。

対象: 瞑想未経験の成人37名・56名(2つの実験) / 限界: 効果は1回の瞑想直後に限定して測定されたもの。

Rahlら(2017)[3]

147名を4つのグループ(受容込みの瞑想訓練/呼吸への集中のみの瞑想訓練/リラクゼーション訓練/読書)に分け4日間練習させたところ、浮かんだ考えを責めずに受け流す「受容」の指導も含めたグループが、集中への意識戻し課題で呼吸への集中だけのグループより明らかに良い成績を示しました(p=.03)。

対象: 健康な若年成人147名(うち142名を分析) / 限界: 4日間という短期の効果で、長期継続時の効果は別の検証が必要。

Zeidanら(2010)[4]

瞑想未経験の参加者に4日間、瞑想訓練またはオーディオブックの聞き取りを行わせ比較したところ、両方とも気分は改善しましたが、瞑想訓練を受けたグループだけが疲労と不安を減らし、空間認識・ワーキングメモリー・注意の持続力に関わる課題の成績も向上しました。

対象: 瞑想未経験の学生ボランティア / 限界: 対照群はオーディオブックを聞くだけの受け身の活動で、別の能動的な活動と比べた場合の差は不明。

03今日からできる小さな一歩

いきなり長時間座る必要はありません。数分の呼吸瞑想を、浮かんだ考えを責めずに流す姿勢で試すのが、研究に近いやり方です。

1

2分だけ呼吸に意識を向ける

椅子に座ったまま目を閉じ、息が鼻を通る感覚だけを追いかけます。考えがそれたら、責めずに呼吸へ戻すだけでかまいません。

所要 2分

2

ガイド付き音声で10分瞑想する

無料のガイド音声に合わせて座るだけでも、1回の瞑想直後に注意課題の成績が上がった実験があります。作業に戻る前の10分に試してみます。

所要 10分

3

浮かんだ考えを「流す」練習をする

雑念が浮かんだとき、内容を追いかけず「今、考えが浮かんだな」と気づいて手放します。自分を責めない姿勢が、注意を戻す練習の核だと研究で示されています。

所要 練習の中で意識するだけ

04続けるためのコツ

毎日でなくても、数日続けるだけで変化を感じやすいという報告があります。完璧を目指さず、短時間を気軽に挟む方が長続きします。

最初の数回は「全然集中できていない」と感じる人も少なくありません。それは失敗ではなく、注意がそれたことに気づけている証拠だと捉えると続けやすくなります。

05よくある質問

瞑想中に雑念が浮かんでしまうのは失敗ですか?

いいえ、失敗ではありません。雑念が浮かぶのは自然なことで、浮かんだ考えに気づいて責めずに注意を戻す練習そのものが効果の鍵だと研究でわかっています。雑念が出ること自体を気にする必要はありません。

毎日やらないと効果はないのでしょうか?

研究では4〜5日間という短期間の練習でも注意への変化が報告されています。ただし対象者は限られた人数の実験が中心なので、個人差があることは覚えておいてください。毎日できなくても、数日続けてみる価値はあります。

出典

  1. Tang, Y. et al. (2007). Short-term meditation training improves attention and self-regulation. Proceedings of the National Academy of Sciences. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2040428/
  2. Norris, C. J. et al. (2018). Brief Mindfulness Meditation Improves Attention in Novices: Evidence From ERPs and Moderation by Neuroticism. Frontiers in Human Neuroscience. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6088366/
  3. Rahl, H. A. et al. (2017). Brief mindfulness meditation training reduces mind wandering: The critical role of acceptance. Emotion. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5329004/
  4. Zeidan, F. et al. (2010). Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief mental training. Consciousness and Cognition. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20363650/