集中力

香りで集中力は上がるのか。ローズマリーとペパーミントの研究でわかったこと

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Romeero (Rosmarinus officinalis). ¡Huele de maravilla!
Photo: Miguel Angel Masegosa Martínez / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

仕事や勉強の前に、アロマの香りで気分を切り替える。そんな工夫をしている人もいるでしょう。香りに集中力を上げる効果はあるのでしょうか。研究を見ると、香りによって記憶や気分が変わることを示した実験はある一方で、香りの種類によっては逆に成績が下がることもわかりました。

3行でわかる

  1. 144人の実験では、ローズマリーの香りの中で作業した人は記憶の質が上がり、気分もしゃきっとしていた。ただし、記憶の速さは落ちていた。
  2. 同じ実験で、ラベンダーの香りの中では作業記憶の成績が下がり、反応も遅くなった。
  3. 別の144人の実験では、ペパーミントの香りで記憶の成績が上がり、イランイランでは下がった。香りの効果は種類によって逆向きだった。

01香りの効果は「香りの種類」と「気分」で変わる

香りは、記憶や気分に影響することがあります。ただし、「集中力を上げる香り」が決まっているわけではなく、香りの種類によって効果は逆にもなります。

香りの効果には、2つの考え方があります。1つは、香りの成分が体に取り込まれて脳に作用するという考え方です。もう1つは、「この香りは集中できる」という期待や好みが、気分や行動を変えるという考え方です。

18件の研究を詳しく分析したレビューでは、香りが気分や体、行動に影響する証拠はあるものの、期待や経験などの心理的な要因で説明できる部分が大きいとされています。

つまり、同じ香りでも、人によって、また状況によって効果が違う可能性があります。

02科学的にわかっていること

ローズマリーやペパーミントで記憶の成績が上がった実験がある一方、ラベンダーやイランイランでは下がりました。効果は香りによってまちまちです。

Mossら(2003)[1]

144人を、ローズマリーの香り、ラベンダーの香り、香りなしの部屋に分け、記憶や注意の課題をしてもらった。ローズマリーでは記憶の質が上がり、作業の後も覚醒感が保たれていたが、記憶の速さは落ちた。ラベンダーでは作業記憶の成績が下がり、反応も遅くなった。

対象: 健康な成人144人 / 限界: 1回の実験で、香りの濃さや好みの影響は調べていない。

Mossら(2008)[2]

144人を、ペパーミント、イランイラン、香りなしの条件に分けて比べた。ペパーミントでは記憶の成績が上がり、覚醒感も高まった。イランイランでは記憶の成績が下がり、処理も遅くなったが、落ち着いた気分は高まった。

対象: 健康な成人144人 / 限界: 上の研究と同じ研究グループによるもの。

Moss & Oliver(2012)[3]

20人にローズマリーの香りの中で計算などの課題をしてもらい、血液を調べた。ローズマリーの成分(1,8-シネオール)の血中濃度が高い人ほど、課題の速さと正確さが高かった。

対象: 健康な成人20人 / 限界: 人数が少なく、相関の研究で因果は確かめていない。

Herz(2009)[4]

香りの効果を調べた研究を系統的に集め、条件を満たす18件を詳しく分析した。香りが気分や体、行動に影響する信頼できる証拠はあったが、成分の作用より、期待や経験などの心理的な説明の方が多くの結果を説明できるとまとめている。

対象: 18件の研究のレビュー / 限界: 研究ごとに測り方や香りの条件がばらばら。

03今日からできる小さな一歩

香りを試すなら、自分が心地よく感じ、しゃきっとする香りを選びます。眠くなる香りは作業中には避けます。

1

作業用と休憩用で香りを分ける

作業中はローズマリーやペパーミントなど、すっきりする香りを試します。ラベンダーなど落ち着く香りは、休憩や寝る前に回します。

所要 1分

2

香りは「ほのかに」にとどめる

強すぎる香りは気分を悪くすることがあります。部屋にほのかに香る程度にします。

所要 数秒

3

効いたかどうかを自分で記録する

香りありの日となしの日で、作業のはかどり方を一言メモして比べます。効果には個人差があるため、自分に合うかを確かめます。

所要 1分

04続けるためのコツ

香りは集中のための「きっかけ」として使うのがおすすめです。香りだけで集中力が大きく変わると期待しすぎないでください。

05よくある質問

香りと集中力について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

集中力を上げる香りはある?

ローズマリーやペパーミントで記憶の成績が上がった実験があります。ただし、記憶の速さが落ちたという結果もあり、どんな作業にも効くとは言えません。

ラベンダーは勉強中に向いている?

作業中には向かない可能性があります。144人の実験では、ラベンダーの香りの中で作業記憶の成績が下がり、反応も遅くなりました。

香りの効果は思い込みなの?

一部はそうかもしれません。18件の研究を分析したレビューでは、香りの成分の作用より、期待や経験などの心理的な要因で説明できる部分が大きいとされています。

ローズマリーはなぜ効くと考えられているの?

ローズマリーの成分(1,8-シネオール)の血中濃度が高い人ほど、課題の成績が良かったという研究があります。ただし20人の小さな研究です。

出典

  1. Moss, M., Cook, J., Wesnes, K., & Duckett, P. (2003). Aromas of rosemary and lavender essential oils differentially affect cognition and mood in healthy adults. International Journal of Neuroscience, 113(1), 15-38. https://doi.org/10.1080/00207450390161903
  2. Moss, M., Hewitt, S., Moss, L., & Wesnes, K. (2008). Modulation of cognitive performance and mood by aromas of peppermint and ylang-ylang. International Journal of Neuroscience, 118(1), 59-77. https://doi.org/10.1080/00207450601042094
  3. Moss, M., & Oliver, L. (2012). Plasma 1,8-cineole correlates with cognitive performance following exposure to rosemary essential oil aroma. Therapeutic Advances in Psychopharmacology, 2(3), 103-113. https://doi.org/10.1177/2045125312436573
  4. Herz, R. S. (2009). Aromatherapy facts and fictions: A scientific analysis of olfactory effects on mood, physiology and behavior. International Journal of Neuroscience, 119(2), 263-290. https://doi.org/10.1080/00207450802333953