集中力

スマホの通知をオフにすると集中力は戻るのか。3つの研究でわかったこと

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AIによる調査公開されている研究論文や公的機関の資料をAI(Claude)が調べ、内容を確認して整理しました。SEADICEが独自に実験したものではありません。出典は末尾にあります。

作業中にスマホが鳴るたびに、集中の糸が切れる。そう感じて「通知を切ればいいのはわかっている」と思いながらも、本当にそれで集中力が戻るのか半信半疑な人も多いのではないでしょうか。実は、通知は画面を見なくても、音が鳴っただけで脳の注意を奪うことが複数の研究でわかっています。それを踏まえたうえで、通知をオフにする工夫がどこまで効くのかを、研究から確認しました。

3行でわかる

  1. 通知は、手に取らなくても、音や振動を感じるだけで注意力を要する作業の成績を下げる。その低下幅は、実際に通話やメッセージ操作をした場合と同程度だった(Stothartら, 2015)。
  2. 通知音を聞くだけで、脳の「気づき」に関わる反応が変化し、繰り返し作業のスピードがわずかに遅くなることが脳波の実験でも確認された(Upshawら, 2022)。
  3. 非必須の通知をオフにすることを含む複数の工夫を2〜6週間続けた実験では、スマホの使いすぎや睡眠の質が改善した。ただし「通知オフだけ」を切り分けて検証した大規模な研究はまだ少ない(Olsonら, 2022)。

01悩みの正体を、やさしい言葉で

通知は「音が鳴っただけ」でも脳の注意資源を奪う。スマホを触っていなくても集中が切れるのは、意志が弱いからではない。

作業中に通知の音が鳴ると、手に取らなくても、頭の中では一瞬「何の通知だろう」という考えがよぎります。これは意識してブロックしようとしても防ぎきれない反応で、心理学では「今やっている作業と関係のない考え事に気を取られること」として説明されます。通知は本来、必要な連絡に気づくための仕組みですが、その仕組み自体が、届いた瞬間に注意の一部を持っていってしまうのです。「また気が散ってしまった」と自分を責める前に、これは多くの人に共通して起きる反応だと知っておくと、少し楽になります。

02科学的にわかっていること

通知は触っていなくても集中を妨げ、その影響は脳の反応レベルでも確認されている。ただし「通知を切るだけ」の効果を単独で検証した大規模研究はまだ少ない。

Stothart・Mitchum・Yehnert(2015)[1]

大学生を対象に、注意力を要する持続的な課題に取り組んでもらいながら、携帯電話に通知を送る実験を行った。参加者は通知に応答していないにもかかわらず、通知を受けた条件では課題の成績が有意に低下した。その低下幅は、実際に音声通話やテキストメッセージの操作をした場合と同程度だった。

対象: 大学生を対象にした実験室での課題 / 限界: 実験室内の単純な注意課題での結果であり、日常のあらゆる作業に同じ程度当てはまるかは別途の検証が必要。

Upshaw・Stevens・Ganis・Zabelina(2022)[2]

大学生73名(平均19.78歳)を対象に、視覚的な図形の検出課題中にスマートフォンの通知音、または対照音を聞かせる実験を行動データと脳波(EEG)の両方で調べた。通知音を聞いた条件では、繰り返し出る図形への反応時間がわずかに遅くなり(432.97ミリ秒 対 429.70ミリ秒)、脳の「刺激への気づき」に関わるN2という反応も、通知音の方で有意に大きくなっていた。

対象: 大学生73名(男性38名・女性35名) / 限界: 効果量は小さく(Cohen's d 0.04〜0.28)、日常生活でどの程度体感できる差かは別途の検証が必要。

Olson・Sandra・Chmoulevitch・Raz・Veissière(2022)[3]

非必須の通知をオフにする、画面をグレースケールにするなど10種類の工夫の中から選んでもらい、2〜6週間続けてもらう実験を2件行った。研究1(51名、前後比較)では2週間後に問題的なスマホ使用・スクリーンタイム・抑うつ症状の減少が見られた。研究2(70名、対照群と比較)では、問題的なスマホ使用の減少、スクリーンタイムの低下に加え、睡眠の質の改善も確認された。

対象: 成人51名(研究1)・70名(研究2) / 限界: 通知オフを含む10種類の工夫を組み合わせた結果であり、「通知を切ることだけ」の効果を単独で切り分けたものではない。

通知は「触っていなくても注意を削る」ことが実験レベルで確認されている一方、「通知だけをオフにすれば集中力が完全に戻る」と単独で示した大規模な研究は、今回の調査では見つかりませんでした。効果が確認されているのは、通知オフを含む複数の工夫を組み合わせた場合です。

03今日からできる小さな一歩

通知を一度に全部切ろうとせず、非必須のものから減らし、音と振動の両方を見直すのが現実的な一歩になる。

1

非必須の通知からオフにする

SNSやゲームなど、今すぐ確認しなくてよい通知から設定アプリで1つずつ切っていきます。全部を一度に切ろうとしなくて大丈夫です。

所要 5分

2

音だけでなく振動も見直す

通知音を消しても、振動だけで気が逸れることがあります。集中したい時間は、音・振動の両方をオフにするか、マナーモードの通知自体を切っておきます。

所要 2分

3

集中したい時間はスマホを視界の外に置く

机の上ではなく、別室や引き出しの中など、音に気づきにくい場所に置いておきます。手を伸ばせば届く距離に置かないことがポイントです。

所要 1分

04続けるためのコツ

効果はすぐには実感しにくいが、2週間ほど続けたところで変化が見られたという結果もある。まずは2週間を目安に試してみる。

05よくある質問

通知を全部切らないと意味がないですか?

研究で効果が確認されたのは、非必須の通知をオフにすることを含む複数の工夫を組み合わせたものです。通知だけを完全に断つ効果を単独で示した大規模な研究はまだ少なく、まず不要な通知から減らすところから始めても変化は期待できると考えられます。

マナーモードにすれば大丈夫ですか?

通知音を聞くだけで脳の反応が変化していたという実験結果があります。振動も同様に注意をそらす可能性があるため、集中したい時間は音・振動の両方に気づきにくい状態にしておくとよいと考えられます。

出典

  1. Stothart C, Mitchum A, Yehnert C (2015). The Attentional Cost of Receiving a Cell Phone Notification. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance, 41(4):893-897. https://doi.org/10.1037/xhp0000100
  2. Upshaw JD, Stevens CE Jr, Ganis G, Zabelina DL (2022). The hidden cost of a smartphone: The effects of smartphone notifications on cognitive control from a behavioral and electrophysiological perspective. PLoS ONE, 17(11):e0277220. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0277220
  3. Olson JA, Sandra DA, Chmoulevitch D, Raz A, Veissière SPL (2022). A Nudge-Based Intervention to Reduce Problematic Smartphone Use: Randomised Controlled Trial. International Journal of Mental Health and Addiction. https://doi.org/10.1007/s11469-022-00826-w