気分・ストレス

雨の日や曇りの日に気分が沈むのはなぜ? 天気と気分の研究でわかった「日の光」と「人による違い」

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雨粒のついた窓ガラス
Photo: Tomascastelazo / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

雨の朝、カーテンを開けたとたんに気が重くなる。曇りの日が続くと、なんとなくやる気が出ない。天気で気分が変わるのは、気のせいではありません。ただ研究では、平均すると天気の影響は意外なほど小さいことがわかっています。気分が沈みやすいのは、日の光が減ることと、天気に左右されやすい人とそうでない人がいるためと考えられます。

3行でわかる

  1. 1,233人の日記研究では、天気が気分に与える影響は平均すると小さいものでした。ただし、影響の受け方には大きな個人差がありました。
  2. 日の光が少ない日は疲れを感じやすくなります。雨や気圧がだるさに関わるのは、日の光が減ることを通してでした。
  3. 10代497人の研究では、天気の影響をほとんど受けない人のほかに、雨の日に特に気分が下がる「雨ぎらい」タイプの人も見つかりました。

01 悩みの正体雨の日に気が重くなるのはなぜ?

雨や曇りの日は日の光が減り、疲れやだるさを感じやすくなるためと考えられます。ただし、天気で気分が大きく変わる人は一部で、平均すると天気の影響は小さいことが研究でわかっています。

「雨の日は気分が落ちる」と感じる人は少なくありません。一方で、天気と気分の関係を大勢で調べた研究では、平均した影響は小さいという結果が続いてきました。

この食い違いを説明するのが個人差です。天気にほとんど左右されない人もいれば、雨の日にはっきり気分が下がる人もいます。全員を平均すると、差が打ち消し合って小さく見えるのです。

もう1つの鍵は日の光です。雨そのものより、雨の日に日の光が減ることが、だるさにつながっていると考えられています。

02 科学的にわかっていること天気は気分をどれくらい変える?

平均すると、天気が気分を変える力は小さいものです。ただし、日の光の量は疲れやすさに関わり、雨の日に特に気分が下がる人がいることも複数の研究で示されています。

Denissenら(2008)[1]

ネットで毎日の気分を記録した1,233人の日記と、気象台のデータを結びつけて調べました。気温・風の強さ・日照時間は、いやな気分と関係していました。日の光が少ない日は、疲れを感じやすくなりました。雨や気圧が疲れに関わるのは、日の光が減ることを通してでした。ただし、天気で説明できる気分の変化は、平均すると小さいものでした。

対象: 1,233人の日記データ / 限界: 天気への敏感さの個人差は大きかったが、性格・性別・年齢では説明できなかった。

Klimstraら(2011)[2]

10代の497人が30日間つけた気分の記録を、実際の天気と照らし合わせました。その結果、4つのタイプが見つかりました。暖かく晴れた日に気分がよくなる「夏好き」、天気にほとんど左右されない「影響なし」、暖かく晴れた日に気分が下がる「夏ぎらい」、雨の日に特に気分が下がる「雨ぎらい」です。同じ4タイプは、その母親たちでも見られました。

対象: 10代の497人とその母親 / 限界: 気分は本人の記録による。2つのタイプは親子で一致しやすかったが、理由はまだわかっていない。

Kellerら(2005)[3]

2つの調査と1つの実験(合計605人)で、暖かく気圧の高い気持ちのよい天気は、春に外で過ごす時間が長いほど、気分のよさと関係していました。春以外の季節では同じ関係は見られず、夏は暑い日ほど気分が低い傾向でした。著者らは、冬の間に気持ちのよい天気から遠ざかっていたため、春に効きやすいと考えています。

対象: 合計605人 / 限界: 天気の効果は季節と外で過ごす時間によって変わり、いつでも同じとは言えない。

LucasとLawless(2013)、Beecherら(2016)[4][5]

アメリカの50州で5年間に集めた100万人以上の調査では、その日の天気は、ほとんど人生の満足度と関係していませんでした。関係が見られたものも、とても小さな差でした。一方、大学のカウンセリングを受けた学生16,452人の記録では、季節によって日照時間が短い時期ほど、心のつらさが強い傾向がありました。

対象: 100万人以上の調査、学生16,452人の記録 / 限界: どちらも調査の分析で、天気が原因だと決めることはできない。後者は高地で日照時間の季節差が大きい地域の、限られた学生の記録。

天気の要素研究で見られたこと強さ
その日の天気全般人生の満足度とはほぼ無関係とても小さい
日照時間(その日)少ないと疲れを感じやすい平均すると小さい
雨・気圧日の光が減ることを通して疲れに関わる平均すると小さい
日照時間(季節)短い時期ほど心のつらさが強い調査での関連
雨への反応「雨ぎらい」タイプの人は大きく下がる人による

この表は、上の5つの研究をこのサイトで整理したものです。平均では小さくても、あなたが雨に弱いタイプなら、雨の日の落ち込みは実際に起きていることかもしれません。

03 今日からできる小さな一歩雨の日の気分の落ち込みを軽くするには?

雨の日は日の光が減ることを前提に、明るい場所で過ごす時間を意識してつくります。自分が天気に左右されやすいタイプかを記録で確かめると、落ち込みを「天気のせい」と切り分けやすくなります。

1

雨の日こそ、窓の近くで過ごす

日の光が少ないと疲れを感じやすくなります[1]。曇りや雨でも、窓際の明るい席で作業する時間をつくります。

所要 30分ほど

2

2週間、天気と気分を1行でメモする

「晴れ・気分7」のように毎晩書きます。雨の日だけ下がるなら雨ぎらいタイプ、変わらないなら天気以外に原因があると考えられます[2]。

所要 1日30秒

3

晴れ間には少し外に出る

春は外で過ごす時間が長いほど、気持ちのよい天気と気分のよさが結びついていました[3]。朝の光の浴び方は朝の光の記事にまとめています。

所要 10〜20分

04 続けるためのコツ雨の日に落ち込む自分をどう受け止める?

雨の日に気分が下がるのは、天気に反応しやすい体質の人にとって自然なことです。自分を責めず、「今日は雨だから重く感じる」と理由に名前をつけるだけでも、気分と距離をとりやすくなります。

05よくある質問

雨の日に気分が落ち込むのは気のせい?

気のせいとは言い切れません。平均すると天気の影響は小さいものの、10代497人の研究では、雨の日に特に気分が下がる「雨ぎらい」タイプの人が見つかっています。

曇りの日にだるいのはなぜ?

日の光が少ない日は、疲れを感じやすくなることが1,233人の日記研究で示されています。雨や気圧がだるさに関わるのも、日の光が減ることを通してでした。

天気で気分が変わりやすい人と変わりにくい人がいるのはなぜ?

理由はまだはっきりしていません。1,233人の研究では、天気への敏感さの差は性格・性別・年齢では説明できませんでした。親子で同じタイプが見られた研究もあります。

出典

  1. Denissen, J. J. A., Butalid, L., Penke, L., & van Aken, M. A. G. (2008). The effects of weather on daily mood: A multilevel approach. Emotion, 8(5), 662-667. https://doi.org/10.1037/a0013497
  2. Klimstra, T. A., Frijns, T., Keijsers, L., Denissen, J. J. A., Raaijmakers, Q. A. W., van Aken, M. A. G., Koot, H. M., van Lier, P. A. C., & Meeus, W. H. J. (2011). Come rain or come shine: Individual differences in how weather affects mood. Emotion, 11(6), 1495-1499. https://doi.org/10.1037/a0024649
  3. Keller, M. C., Fredrickson, B. L., Ybarra, O., Côté, S., Johnson, K., Mikels, J., Conway, A., & Wager, T. (2005). A warm heart and a clear head: The contingent effects of weather on mood and cognition. Psychological Science, 16(9), 724-731. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2005.01602.x
  4. Lucas, R. E., & Lawless, N. M. (2013). Does life seem better on a sunny day? Examining the association between daily weather conditions and life satisfaction judgments. Journal of Personality and Social Psychology, 104(5), 872-884. https://doi.org/10.1037/a0032124
  5. Beecher, M. E., Eggett, D., Erekson, D., et al. (2016). Sunshine on my shoulders: Weather, pollution, and emotional distress. Journal of Affective Disorders, 205, 234-238. https://doi.org/10.1016/j.jad.2016.07.021