気分・ストレス

寝不足だとイライラしやすいのはなぜか。睡眠不足と怒りの研究

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Made bed with richly decorated pillows and ornate bedspread. Beige themed bedroom with double bed.
Photo: Marek Ślusarczyk (Tupungato) Photo portfolio / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

寝不足の日は、ささいなことにイライラしてしまう。家族や同僚にきつく当たってしまい、あとで自己嫌悪に陥る。そんな経験はないでしょうか。研究では、睡眠を少し減らすだけで怒りの感情が強まることが、実験で確かめられています。イライラしやすいのは、性格のせいではないかもしれません。

3行でわかる

  1. 142人の実験では、2日間睡眠を減らしただけで、不快な音を聞きながら作業したときの怒りが強まった。睡眠が足りていれば、音に慣れて怒りは弱まっていった。
  2. 50年以上の研究154件(5,717人)をまとめた分析では、どんな形の睡眠不足でも、前向きな気分が減り、不安が増えていた。
  3. 35時間眠らなかった人の脳では、感情の中枢である扁桃体が、よく眠った人より60%以上強く反応していた。

01イライラは、性格ではなく睡眠のせいかもしれない

睡眠が足りないと、感情をコントロールする脳の働きが弱まり、イライラや不安を感じやすくなると考えられています。

脳の奥にある扁桃体は、怒りや恐れなどの感情に関わる部分です。ふだんは、理性的な判断をする前頭前野が、扁桃体の反応を落ち着かせています。

研究では、睡眠不足になると扁桃体が強く反応するようになり、前頭前野とのつながりが弱まることが示されています。つまり、感情のアクセルが強くなり、ブレーキが効きにくくなる状態です。

そのため、寝不足の日にイライラするのは、意志や性格の問題というより、脳の状態の変化と考えられます。

02科学的にわかっていること

睡眠を減らすと怒りが強まり、前向きな気分が減って不安が増えることが、多くの実験で確認されています。

Krizan & Hisler(2019)[1]

地域の住民142人を、ふだんどおり眠るグループと、2日間睡眠を減らすグループに分けた。不快な雑音を聞きながら作業すると、睡眠を減らしたグループは怒りが強まっていた。ふだんどおり眠ったグループでは、雑音に慣れて怒りが弱まっていったが、睡眠を減らしたグループではその慣れが起きなかった。

対象: 地域の住民142人 / 限界: 2日間の短期間の睡眠制限。

Palmerら(2024)[2]

徹夜、睡眠時間の短縮、夜中に何度も起こされる、などの睡眠不足を調べた154件の研究(5,717人、7〜79歳)をまとめた。どの形の睡眠不足でも、前向きな気分が減り、不安が増え、感情を揺さぶる刺激への反応が鈍くなっていた。

対象: 154件の研究、5,717人 / 限界: 否定的な気分やうつ症状への影響は、睡眠不足の種類によって結果がまちまちだった。

Yooら(2007)[3]

18〜30歳の健康な26人を、ふだんどおり眠るグループと、35時間眠らないグループに分け、不快な画像を見せて脳画像を撮った。眠らなかったグループでは、感情の中枢である扁桃体が60%以上強く反応し、理性的な判断をする前頭前野とのつながりが弱まっていた。

対象: 健康な若い成人26人 / 限界: 人数が少なく、一晩の徹夜という極端な条件(内容はカリフォルニア大学バークレー校の発表で確認)。

厚生労働省(Good Sleepガイド)[4]

成人には、6時間以上の睡眠時間を確保することを勧めている。

対象: 国の睡眠に関する健康づくりの指針 / 限界: 必要な睡眠時間には個人差がある。

03今日からできる小さな一歩

イライラしやすい日は、まず睡眠不足を疑います。大事な話し合いや判断は、よく眠った日に回します。

1

イライラした日の前の晩の睡眠を振り返る

怒りっぽい日があったら、前の晩に何時間眠れたかをメモします。睡眠との関係が見えてくると、自分を責めずにすみます。

所要 1分

2

寝不足の日は、大事な話し合いを避ける

寝不足の日は感情のブレーキが効きにくくなります。家族やパートナーとの大事な話、仕事の重要なメールは、できれば翌日に回します。

所要 判断するだけ

3

今夜は30分早く寝る

睡眠不足が続いていると感じたら、今夜は30分早く布団に入ります。

所要 30分

04続けるためのコツ

睡眠を整えることは、感情を整えることにもつながります。イライラを減らす方法の1つとして、睡眠を見直してみてください。

05よくある質問

睡眠不足とイライラについて、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

寝不足だとイライラするのはなぜ?

睡眠が足りないと、感情に関わる脳の扁桃体が強く反応し、それを落ち着かせる前頭前野とのつながりが弱まるためと考えられています。

どれくらい寝不足だと怒りっぽくなる?

142人の実験では、2日間睡眠を減らしただけで、怒りの感情が強まっていました。

寝不足で気分が落ち込むのは普通?

154件の研究をまとめた分析では、どの形の睡眠不足でも、前向きな気分が減り、不安が増えていました。

何時間寝ればイライラしにくくなる?

必要な睡眠時間には個人差がありますが、厚生労働省は成人に6時間以上の睡眠を勧めています。

出典

  1. Krizan, Z., & Hisler, G. (2019). Sleepy anger: Restricted sleep amplifies angry feelings. Journal of Experimental Psychology: General, 148(7), 1239-1250. https://doi.org/10.1037/xge0000522
  2. Palmer, C. A., Bower, J. L., Cho, K. W., et al. (2024). Sleep loss and emotion: A systematic review and meta-analysis of over 50 years of experimental research. Psychological Bulletin, 150(4), 440-463. https://doi.org/10.1037/bul0000410
  3. Yoo, S.-S., Gujar, N., Hu, P., Jolesz, F. A., & Walker, M. P. (2007). The human emotional brain without sleep—a prefrontal amygdala disconnect. Current Biology, 17(20), R877-R878.(内容はカリフォルニア大学バークレー校の発表で確認) https://newsarchive.berkeley.edu/news/media/releases/2007/10/22_sleeploss.shtml
  4. 厚生労働省. Good Sleepガイド(健康づくりのための睡眠ガイド2023). https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001222161.pdf