記憶・学習

マインドマップで覚えるなら、どう使う?「本を閉じて描く」「描いた後に見直す」が大事な理由を研究で調べた

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机の上に広げたノートと筆記用具
Photo: www.Pixel.la Free Stock Photos / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

ノートをマインドマップにまとめると、なんとなく覚えた気になります。でも、きれいに描けたのにテストで思い出せない、という経験もあるかもしれません。研究では、本を見ながらマップを描いて終わりにするより、描いた後にマップを見て覚え直すほうが、1週間後の記憶が多く残りました。本を閉じて、思い出しながら描くやり方もあります。

3行でわかる

  1. 医学生50人の実験では、マインドマップの組の1週間後の記憶は、ふだんの勉強法の組より10%多かった。ただし誤差の幅は−1〜22%で、はっきりした差とまでは言えない。
  2. 「マップより思い出す練習が勝つ」という有名な結果は、思い出す組だけが文章を覚え直す時間を多くもらっていたためだった可能性がある(230人の再検証)。
  3. マップを20分描いた後に5分覚え直した組は、思い出す練習の組と同じくらい1週間後に覚えていた(正答率70%と73%)。描いて終わりの組は59%だった。

01 悩みの正体マップを描いたのに覚えていないのはなぜ?

本を見ながら描く作業は、内容を整理する作業ではあっても、何も見ずに思い出す作業ではないからです。研究でも、描いて終わりにした組は、1週間後の正答率がいちばん低くなりました。

マインドマップは、中心にテーマを置き、関連することを枝のように広げていくノートの取り方です。研究では、言葉と言葉を線と「つなぎの言葉」で結ぶ「コンセプトマップ(概念地図)」もよく調べられています。この記事では、両方をまとめて「マップ」と呼びます。

マップを描くとき、多くの人は教科書を開いたまま、内容を写しながら整理します。手は動いていても、頭の中から情報を取り出してはいません。覚えたつもりになりやすいのは、このためと考えられます。

読んだ直後に「わかった」と感じても、それが記憶に残るとは限りません(「わかったつもり」の研究)。

02 科学的にわかっていることマインドマップは暗記に役立つ?

役立つという結果はありますが、差の大きさは研究によってまちまちです。マップを描くだけより、描いた後に覚え直す時間をとったときに、1週間後の記憶がはっきり多く残りました。

Farrandら(2002)[1]

医学生50人に600語の文章を勉強してもらい、マインドマップを教わった組と、ふだんの勉強法の組に分けました。1週間後、マインドマップの組は事実の記憶が10%多くなりました。ただし誤差の幅は−1%〜22%で、偶然の可能性を否定できません。マインドマップの組は、やる気が低い傾向もありました。

対象: ロンドンの医学部の2〜3年生 / 限界: 小さな実験です。やる気が同じだったと仮定した場合の差(15%)は、計算上の推定です。

Aljamalら(2026・システマティックレビュー)[2]

医学部の基礎の学年で、マインドマップやコンセプトマップを試した6つのランダム化比較試験をまとめました。4つの試験ではテストの点が高くなり、2つの試験でははっきりした差がありませんでした。多くは短い期間の成績を見たもので、1週間後も記憶が多かったと示したのはFarrandらの1件でした。

対象: 医学生 / 限界: 試験の数が少なく、長く覚えていられるかは、まだ一貫して確かめられていないと著者は述べています。

KarpickeとBlunt(2011)[3]

参加者がラッコについての科学の文章を学び、1週間後にテストを受けました。本を見ながらコンセプトマップを描いた組より、本を閉じて思い出して書く練習をした組のほうが、よく覚えていました。論文はこの結果から、思い出す練習のほうが学びにつながると結論づけました。

対象: 実験の参加者(1つの組の人数は再検証の約3分の1) / 限界: 後の再検証で、思い出す練習の組だけが、文章をもう一度覚える時間を5分多くもらっていたと指摘されています[4]。

Mayrhoferら(2023・事前登録した再検証)[4]

ドイツの大学生230人で、KarpickeとBluntと同じラッコの文章を使い直しました。マップを20分描いた後に、そのマップを5分覚え直した組は、1週間後の正答率が70%でした。思い出す練習の組(73%)と、はっきりした差はありませんでした。描いて終わりの組は59%でした。

対象: 平均21.7歳の大学生 / 限界: 1つの短い文章を使った実験です。考えて答える問題は2問だけで、こちらはマップの組のほうがやや高い結果でした。

59% → 70%

マップを描いて終わりの組と、描いた後に5分覚え直した組の、1週間後の正答率[4]

Mayrhoferらの再検証の4つの組を比べると、次のとおりです[4]。どの組も、最初に5分間文章を読み、勉強の時間は合わせて30分でした。

読んだ後の25分の使い方1週間後の正答率
本を閉じて思い出して書く10分 → 本を読み直す5分 → また思い出す10分73%
本を見ながらマップを20分 → マップを覚え直す5分70%
本を見ながらマップを25分(できるだけ多く入れるよう指示)62%
本を見ながらマップを25分59%

再検証の著者は、2014年のBluntとKarpickeの実験も紹介しています。そこでは、本を閉じてマップを描く「思い出しながらのマップ」が、本を閉じて文章で書き出す練習に劣りませんでした[4]。マップという形が悪いのではなく、描いた後に覚え直すか、思い出しながら描くかが分かれ目になりそうです。

03 今日からできる小さな一歩覚えるためのマップは、どう描けばいい?

まず5分読み、本を閉じて覚えている範囲でマップを描きます。本を開いて抜けを足したら、最後の5分でマップを見て覚え直します。

1

先に5分だけ、範囲を通して読む

研究ではどの組も、最初に5分間文章を読んでいました[4]。ここではマップを描かず、全体の流れをつかむことに集中します。

所要 5分

2

本を閉じて、覚えている範囲でマップを描く

中心にテーマを書き、思い出せたことから枝を伸ばします。思い出しながら描くマップは、文章で書き出す練習に劣らない成績でした[4]。空白が多くても気にしません。

所要 10分

3

本を開いて、抜けていたところを別の色で足す

別の色にすると、どこを思い出せなかったかが一目でわかります。次に覚え直すときは、この色の部分を中心に見ます。

所要 5〜10分

4

最後の5分、マップを見て覚え直す

描いて終わりにせず、仕上がったマップを覚える時間をとります。この5分を足した組は、描いて終わりの組より1週間後の正答率が11ポイント高くなりました[4]。

所要 5分

04 続けるためのコツ描いたマップは、その後どう使う?

数日あけて、白紙からもう一度マップを描いてみるのがおすすめです。前回のマップと比べると、忘れたところがはっきりします。

05よくある質問

マインドマップは暗記に効果がありますか?

効果があったという研究はありますが、差の大きさはまちまちです。医学生50人の実験では1週間後の記憶が10%多くなりましたが、偶然の差である可能性も否定できませんでした。描いた後にマップを見て覚え直す時間をとると、1週間後の記憶がはっきり多く残った研究があります。

マインドマップと、問題を解いて思い出す勉強法はどちらがいいですか?

描いた後に覚え直す時間を同じだけとった再検証では、1週間後の正答率に、はっきりした差はありませんでした(70%と73%)。どちらか一方を選ぶより、本を閉じて思い出しながらマップを描くと、両方の良さを取り入れられます。

手描きとアプリ、どちらで描くのがいいですか?

マップを手で描くかアプリで描くかを比べた研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。大事なのは道具より、本を閉じて描くことと、描いた後に覚え直す時間をとることです。

出典

  1. Farrand, P., Hussain, F., & Hennessy, E. (2002). The efficacy of the 'mind map' study technique. Medical Education, 36(5), 426-431. https://doi.org/10.1046/j.1365-2923.2002.01205.x
  2. Aljamal, H., Alawneh, R., Derbas, A., Edaibes, M., Ahmed, A., Amer, L., Alzoubi, H., & Serhan, H. A. (2026). Efficacy of mind maps and concept maps in enhancing academic performance among undergraduate medical students in the preclinical stage: A systematic review. Advances in Health Sciences Education, 31(2), 705-725. https://doi.org/10.1007/s10459-025-10437-4
  3. Karpicke, J. D., & Blunt, J. R. (2011). Retrieval practice produces more learning than elaborative studying with concept mapping. Science, 331(6018), 772-775. https://doi.org/10.1126/science.1199327
  4. Mayrhofer, R., Kuhbandner, C., & Frischholz, K. (2023). Re-examining the testing effect as a learning strategy: The advantage of retrieval practice over concept mapping as a methodological artifact. Frontiers in Psychology, 14, 1258359. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.1258359