記憶・学習

読み返すより、自分にテストする方が覚えられるのか。「テスト効果」の研究

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Photo: brewbooks from near Seattle, USA / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

テスト前、教科書やノートを何度も読み返したのに、本番で思い出せなかった。そんな経験はないでしょうか。研究では、くり返し読むより、自分で思い出す「テスト形式」の復習の方が、長く記憶に残ることが何度も確かめられています。しかも、読み返した人ほど「覚えた」と感じやすいという落とし穴もありました。

3行でわかる

  1. 180人の実験では、文章を4回読んだ人は1週間後に40%しか覚えていなかったが、1回読んで3回思い出す練習をした人は61%覚えていた。
  2. 5分後のテストでは、くり返し読んだ人の方が成績が良く(83%対71%)、効果がわかるのは時間がたってからだった。
  3. 10の学習法を比べたレビューでは、テスト形式の練習は「有用性が高い」、読み返しやマーカーは「有用性が低い」と評価された。

01読み返すと「覚えた気」になりやすい

自分で思い出そうとすること自体が、記憶を強くすると考えられています。この現象は「テスト効果」と呼ばれます。

テストは、覚えているかを確かめるためのものだと思われがちです。しかし研究では、思い出そうとする作業そのものが学習になり、記憶を長持ちさせることがわかっています。

一方、読み返しは、文章が目の前にあるので「わかっている」感覚が生まれやすい方法です。実験でも、くり返し読んだ人ほど「1週間後も覚えていられる」と自信を持っていました。

とくに効果が大きいのは、選択肢から選ぶテストより、何も見ずに思い出して書き出すテストです。

02科学的にわかっていること

思い出す練習は、読み返しより長く記憶に残ることが、実験と多くの研究をまとめた分析の両方で確認されています。

Roediger & Karpicke(2006)[1]

大学生180人に文章を覚えてもらった。4回読んだ群、3回読んで1回思い出した群、1回読んで3回思い出した群を比べた。5分後はくり返し読んだ群が最も覚えていた(83%対71%)。しかし1週間後には逆転し、くり返し読んだ群は40%、3回思い出した群は61%覚えていた。

対象: アメリカの大学生180人(18〜24歳) / 限界: 文章の記憶を調べたもので、計算や実技の学習とは異なる。

Rowland(2014)[2]

テストと読み返しを比べた研究をまとめた分析。テストの効果が確認され、選択肢から選ぶテストより、何も見ずに思い出すテストの方が効果が大きかった。思い出すときの頭の負荷が、記憶を強めると考えられている。

対象: これまでの研究のメタ分析 / 限界: 実験室での研究が中心。

Adesopeら(2017)[3]

練習テストと、テストをしない学習法を比べた研究をまとめた分析。練習テストは、読み返しを含むほかのどの比較条件よりも学習に役立っていた。効果の大きさは、テストの形式や学ぶ人の特徴によって変わった。

対象: これまでの研究のメタ分析 / 限界: 研究ごとの条件の違いが大きい。

Dunloskyら(2013)[4]

よく使われる10の学習法を比べたレビュー。練習テストと間隔をあけた復習は、年齢や能力にかかわらず効果があるとして「有用性が高い」と評価された。読み返しやマーカー引きは、成績を安定して上げないとして「有用性が低い」とされた。

対象: 10の学習法に関する研究のレビュー / 限界: 評価は研究者による総合判断。

03今日からできる小さな一歩

読み終えたら、本を閉じて思い出す時間をつくります。答え合わせまでをセットにすると続けやすくなります。

1

読んだら本を閉じて、覚えていることを書き出す

1ページや1章を読み終えたら、何も見ずに覚えていることを紙に書きます。うまく思い出せなくても、その作業自体が記憶を強めます。

所要 5分

2

答え合わせをして、思い出せなかった所だけ読み直す

書き出したら教科書と見比べます。抜けていた所だけを読み直すので、復習の時間も短くなります。

所要 5分

3

自分用の問題を作って、日をあけて解く

大事な所を問題の形にしておき、翌日や数日後に解きます。間隔をあけた復習と組み合わせると効果的です。

所要 10分

04続けるためのコツ

思い出す練習は、すぐには手応えを感じにくい方法です。「思い出せなくて当然」と考えて続けることが大切です。

05よくある質問

テスト形式の復習について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

読み返すだけの復習は意味がないの?

まったく意味がないわけではありませんが、長く覚えておくには不向きです。実験では、5分後はくり返し読んだ方が成績が良かったものの、1週間後には思い出す練習をした方が多く覚えていました。

テスト効果とは何ですか?

覚えたことを自分で思い出そうとすること自体が、記憶を強くする現象です。テストは確認だけでなく、学習の方法としても役立ちます。

一夜漬けにも使える?

翌日のテストなら、くり返し読むことにも一定の効果があります。ただ、1週間以上覚えておきたいなら、思い出す練習の方が有利でした。

どんな勉強法が効果的なの?

10の学習法を比べたレビューでは、練習テストと、間隔をあけた復習が「有用性が高い」と評価されました。読み返しとマーカー引きは「有用性が低い」とされています。

出典

  1. Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2006). Test-enhanced learning: Taking memory tests improves long-term retention. Psychological Science, 17(3), 249-255. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2006.01693.x
  2. Rowland, C. A. (2014). The effect of testing versus restudy on retention: A meta-analytic review of the testing effect. Psychological Bulletin, 140(6), 1432-1463. https://doi.org/10.1037/a0037559
  3. Adesope, O. O., Trevisan, D. A., & Sundararajan, N. (2017). Rethinking the Use of Tests: A Meta-Analysis of Practice Testing. Review of Educational Research, 87(3), 659-701. https://doi.org/10.3102/0034654316689306
  4. Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58. https://doi.org/10.1177/1529100612453266