記憶・学習

勉強したのに模試で点が取れなかったら? 時間より「勉強のやり方」を見直す研究

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机の上の鉛筆削りと削りくず
Photo: Punker1999 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

ちゃんと勉強したつもりなのに、模試の点数が思ったより低い。「もっと時間を増やさなきゃ」と焦る人は多いはずです。研究で効果が確かめられたのは、勉強時間を増やすことより、次の試験の前に「どの教材を、なぜ、どう使うか」を書き出して見直すことでした。ただし、効果は大きくはなく、うまくいかなかった研究もあります。

3行でわかる

  1. 試験で点が低くても、次の成績の予想への自信は高いままになりやすい。点数だけを見ても、何を変えればいいかは見えにくい。
  2. 試験の前に「使う教材・その理由・使い方」を書き出した大学生は、2つのランダム化比較試験(計361人)で、成績が平均3分の1段階上がった。
  3. 1万2,065人に広げると、効果は小さめだった(d=0.18)。試験後の振り返りシートだけでは、はっきりした差が出なかった研究もある。

01 悩みの正体勉強したのに点が取れないのは、なぜ?

勉強の量より、勉強のやり方と、自分の理解の見積もりがずれていることが多いからです。点が低かった後も自信は下がりにくく、何を変えればいいかに気づきにくいことがわかっています。

薬学部の学生151人を調べた研究では、1回目の試験の成績が振るわなかったのに、次の成績を予想するときの自信は高いままでした[5]。「次はもっとがんばれば大丈夫」と感じても、やり方が同じなら結果も変わりにくいのです。

勉強のやり方には、人によって大きな差があります。324人の大学生の調査では、成績の低い学生ほど深夜に勉強し、締め切りに追われて勉強する傾向がありました[3]。自分でテストして確かめる学生ほど、成績(GPA)が高い傾向もありました[3]。

つまり、点が取れなかったときに見直す価値があるのは「何時間やったか」より「いつ、何を、どう使ったか」です。

02 科学的にわかっていること勉強のやり方を見直すと、次の点は上がる?

試験の前に「使う教材・理由・使い方」を書き出す方法は、ランダム化比較試験で成績を上げました。ただし大勢に広げると効果は小さめで、試験後の振り返りだけでは差が出なかった研究もあります。

Chenら(2017)[1]

大学の統計学の授業で、試験の前に、勉強に使う教材を選び、なぜ役立つのか、どう使うのかを書き出す課題をランダムに割り当てました。書き出した学生は、学び方を振り返るようになり、教材をうまく使い、授業の成績が平均で3分の1段階(例: BからB+)上がりました。

対象: アメリカの1つの大学の統計学の授業、2学年分 / 限界: 1つの科目での結果です。

Chenら(2022)[2]

同じ方法をアプリにして、7科目・14クラスの1万2,065人が自由に使えるようにしました。使った学生は、使わなかった学生より試験の平均点が2.17点(100点満点に換算)高くなりました。入試の点数をそろえて比べると1.65点でした。もとの試験の再現にあたる統計学の授業では、差は約5〜7点と大きめでした。

対象: アメリカの大学の理系・経済学の14の授業 / 限界: 使うかどうかは学生が自分で選んだため、ランダムに分けた比較ではありません。元の試験より効果は小さくなりました。

HartwigとDunlosky(2012)[3]

324人の大学生に勉強のやり方を尋ね、成績と比べました。自分でテストする学生と、読み返す学生は、どちらも成績が高い傾向でした。成績の低い学生は、深夜の勉強が多く、締め切り直前に勉強しがちでした。

対象: 大学生324人 / 限界: 1回の調査で、やり方が成績の原因かどうかはわかりません。

Pateら(2019)[4]

薬学部の授業で、試験の後に間違えた問題を振り返り、次の勉強を計画するシート(エグザム・ラッパー)を配りました。1回以上使った53人と使わなかった35人の試験の点を比べると、平均点は少し高いものの、はっきりした差はありませんでした。

対象: 薬学部の学生88人 / 限界: 使うかどうかは学生が選びました。人数も少なめです。

3分の1段階

試験前に教材の使い方を書き出した大学生の成績の伸び(2つのランダム化比較試験、計361人。効果の大きさd=0.33と0.37)[1][2]

見直し方研究の結果
試験前に、教材・理由・使い方を書き出す(ランダム化比較試験)成績が平均3分の1段階上がった[1]
同じ方法を1万人以上が自由に使う使った人は2.17点高い。効果は小さめ[2]
試験後の振り返りシートだけはっきりした差は出なかった[4]

03 今日からできる小さな一歩次の試験までに、何をどう見直せばいい?

次の試験の1週間ほど前に、試験の形式、使う教材、選んだ理由、いつどう使うかの4つを紙に書き出します。全部で15分ほどです。研究で効果が出た手順をそのまま使います。

1

次の試験の形式と範囲を書く

記述か選択か、どの単元が出るかを書き出します。研究で使われた課題も、まず試験の形と求められることを考えさせていました[2]。

所要 3分

2

使える教材を全部並べ、役立つものに印をつける

教科書、問題集、模試の解説、ノート、授業の録画など、手元にあるものをすべて書きます。その中から、今回の試験に役立つものを選びます。

所要 5分

3

選んだ教材ごとに「なぜ役立つか」を一言書く

「模試の解説: 自分が間違えやすい形式がわかるから」のように書きます。理由を書くと、教材を何のために使うかがはっきりします[2]。

所要 3分

4

いつ・どこで・どう使うかを決める

「火曜と木曜の夜、机で、問題集を解いて答え合わせ」のように決めます。読み返すだけでなく、自分でテストする使い方も入れます[3]。

所要 4分

04 続けるためのコツ見直しても点が上がらなかったら?

1回で結果が出なくても、試験のたびに書き出し直すのが現実的です。大規模な研究では、使った回数が多い学生ほど成績が高い傾向がありました。試験の直前ではなく、早めに行うのも大切です。

05よくある質問

模試の点が悪かったら、まず何をすればいいですか?

点数を眺めて反省するより、次の試験に向けて「使う教材・その理由・使い方」を書き出すことをおすすめします。試験の前にこれを書いた大学生は、2つのランダム化比較試験で成績が平均3分の1段階上がりました。間違えた問題の直し方は、別の記事で詳しく紹介しています。

試験の後に振り返りシートを書けば、点は上がりますか?

研究の結果はまちまちです。試験後の振り返りシート(エグザム・ラッパー)を調べた薬学生の研究では、使った53人と使わなかった35人の平均点に、はっきりした差は出ませんでした。振り返りは、次に何をどう使うかの計画までつなげるのが大切だと考えられます。

勉強時間を増やすのは、意味がないのですか?

意味がないわけではありません。ただ、324人の大学生の調査では、成績の低い学生ほど深夜に勉強し、締め切りに追われて勉強する傾向がありました。時間を増やす前に、いつ・どの教材を・どう使うかを決めておくほうが、増やした時間を活かしやすくなります。

出典

  1. Chen, P., Chavez, O., Ong, D. C., & Gunderson, B. (2017). Strategic resource use for learning: A self-administered intervention that guides self-reflection on effective resource use enhances academic performance. Psychological Science, 28(6), 774-785. https://doi.org/10.1177/0956797617696456
  2. Chen, P., Teo, D. W. H., Foo, D. X. Y., Derry, H. A., Hayward, B. T., Schulz, K. W., Hayward, C., McKay, T. A., & Ong, D. C. (2022). Real-world effectiveness of a social-psychological intervention translated from controlled trials to classrooms. npj Science of Learning, 7, 20. https://doi.org/10.1038/s41539-022-00135-w
  3. Hartwig, M. K., & Dunlosky, J. (2012). Study strategies of college students: Are self-testing and scheduling related to achievement? Psychonomic Bulletin & Review, 19(1), 126-134. https://doi.org/10.3758/s13423-011-0181-y
  4. Pate, A., Lafitte, E. M., Ramachandran, S., & Caldwell, D. J. (2019). The use of exam wrappers to promote metacognition. Currents in Pharmacy Teaching and Learning, 11(5), 492-498. https://doi.org/10.1016/j.cptl.2019.02.008
  5. Alfaraj, R., Ozdemir, B., Aljuffali, L., et al. (2026). Metacognitive awareness and confidence as predictors of academic performance in pharmacy students: Insights from grade predictions and structural equation modeling. Frontiers in Psychology, 17, 1720303. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1720303