先延ばし

ポモドーロ・テクニックは先延ばしに効く?「25分集中・5分休憩」を比べた実験でわかったこと

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キッチンタイマー
Photo: Retro00064 / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

「25分だけ集中して、5分休む」。ポモドーロ・テクニックは、先延ばし対策の定番として紹介されます。ところが、先延ばしそのものを結果として測った査読済みの研究は、まだ見つかりませんでした。休み方を比べた実験では、25分と5分の区切りでも、自分で休みを決めた人と作業の進み具合は変わりませんでした。「始めるきっかけ」としては使えても、それだけで先延ばしが治るとは言えません。

3行でわかる

  1. 先延ばしを結果として測った査読済みの研究はまだない。休み方を比べた実験が中心で、どれも学生が1〜2時間勉強する場面だった。
  2. 25分作業と5分休憩を試した94人の実験では、自分で休む人と作業の進み具合(約70%)に差がなく、著者は「どれか1つを特におすすめできない」とまとめた。
  3. 先延ばしを減らす効果が確かめられているのは、認知行動療法(考え方と行動を少しずつ変える方法)のような、計画づくりを含むまとまったプログラムだった。

01 悩みの正体タイマーを用意しても先延ばしするのはなぜ?

先延ばしは時間の使い方より、作業のいやな気分を避けたい気持ちから起きやすいからです。タイマーは区切りを作りますが、いやな気分そのものは消してくれません。

ポモドーロ・テクニックは、1980年代の終わりごろにフランチェスコ・シリロ氏が考えた時間の区切り方です。名前は、トマト型のキッチンタイマーから来ています[4]。作業を25分ずつに区切り、間に5分休みます。

「25分だけなら始められる」という考え方は、理にかなって見えます。研究を紹介した論文の中でも、大きな作業を小さく分けるので先延ばしを減らすかもしれない、と書かれています[2]。ただ、これは仮説として紹介されたもので、その研究で先延ばしを測ったわけではありません。

先延ばしの多くは、作業のいやさや不安から一時的に逃げる動きだと考えられています。この仕組みは先延ばしは「意志が弱い」からじゃないにまとめています。

02 科学的にわかっていることポモドーロは先延ばしに効く?

先延ばしに効くという査読済みの証拠は、まだありません。休み方の実験では、決まった区切りでも自分で休んでも、作業の進み具合は同じでした。

Biwerら(2023)[1]

学生が実際に自習する1日に、休み方を3通りに分けました。自分で休む組は、勉強も休憩も長くなりがちでした。決まった区切りで休んだ組より、疲れや気の散りやすさが強く、集中ややる気は低めでした。ただ、こなした課題の量に差はありませんでした。

対象: オランダの大学生と大学院生87人。「ポモドーロ」の組は24分勉強して6分休む区切り / 限界: 1日だけの実験で、各組は25〜35人。統計の詳しい数値は論文の要旨からは確認できませんでした。

Smitsら(2025)[2]

25分勉強して5分休むポモドーロ、自分で休む方法、勉強した長さに応じて休憩を長くする方法の3つを、2時間の自習で比べました。予定した課題を終えた割合は、自分で休む組70.32%、ポモドーロ組69.41%、もう1つの組67.09%で、差はありませんでした。やる気・疲れ・集中の没入感にも、組全体では目立った差は出ませんでした。ただ、時間とともにやる気が下がるペースは、ポモドーロ組のほうがやや速いという結果でした。

対象: オランダの心理学部の学生94人(93%が女性) / 限界: 人数が少なめで、1回の自習だけです。著者は、どの休み方も特におすすめできないとまとめました。

70.32% と 69.41%

2時間の自習で予定した課題を終えた割合。自分で休んだ組と、25分作業・5分休憩の組[2]

Göksuら(2026)[3]

12分勉強して3分休む区切りと、自分で休む方法を比べました。全員が同じ文章を読み、20問のテストを受けました。テストの点に意味のある差はありませんでした。元気さ・集中・やる気は、自分で休んだ組のほうが高めでした。12分ごとの休みは「短すぎて多すぎる」と受け止められていました。

対象: オランダの大学生176人。事前に計画を登録した実験 / 限界: 25分と5分ではなく、12分と3分の区切りでした。60分の1回だけの結果です。

休み方の研究をまとめた2025年のレビューもあります。32件の研究のうち88%が良い結果を報告していました。ただ、著者自身が、証拠の確かさは「中くらいから低い」と書いています[4]。多くは観察研究で、良い結果ばかりが発表される偏りの可能性も指摘されています。

では、先延ばしそのものを減らす方法は何でしょうか。12件の研究(718人)をまとめたRozentalら(2018)のメタ分析では、心理的な治療で先延ばしは小さく減っていました(効果の大きさg=0.34)[5]。認知行動療法にしぼると、効果はg=0.55と中くらいでした。ただし、この部分は3件の研究だけの結果です。

Browarczykら(2026・査読前)[6]

先延ばしに悩む大学生255人を4組に分けました。3組は、5週間のオンラインの集団プログラムを受けました。共通の心理教育に加え、それぞれ「現実的な計画を立てて時間どおり始める」「作業時間をあえて制限する」「ポモドーロ」を学びました。3組とも、待機した組より先延ばしが大きく減り、組の間に差はありませんでした。作業の進み具合が良くなったのは、ポモドーロ以外の2組でした。

種類: 査読を受ける前の論文で、要旨だけを確認しました / 限界: ポモドーロは考え方を変える練習とセットで教えられていて、ポモドーロだけの効果は分けられません。

ここまでを判定表にまとめます。

よく言われること研究でわかったこと判定
ポモドーロで先延ばしが治る先延ばしを測った査読済みの研究はない[4]根拠なし
25分作業は自分で休むより進む課題を終えた割合は約70%で同じ[2]差なし
決まった区切りは疲れにくい疲れが少ない実験と、差がない実験がある[1][2]結果が割れる
短い区切りほどよい12分ごとは「多すぎる」と感じられた[3]当てにならない
計画づくりを含むプログラムは効く先延ばしが小〜中くらい減った[5]効く

03 今日からできる小さな一歩ポモドーロを先延ばし対策に使うには?

タイマーは「始める合図」として使い、何を始めるかと、休憩中に何をするかを先に決めることです。区切りの長さは25分にこだわらず、自分に合う長さで構いません。

1

最初の1区切りでやることを1行で書く

「報告書を書く」ではなく「見出しを3つ書く」のように、終わったとわかる中身にします。分け方は大きな作業を細かく分ける研究にまとめています。

所要 2分

2

タイマーを押す時刻を決めておく

「20時になったらタイマーを押す」と決めます。始める時刻を決める計画の研究は始める時刻まで決める計画の研究で紹介しています。

所要 1分

3

休憩中にすることを2つに絞る

水を飲む、立って体を伸ばす、など。12分ごとに休む実験では、休憩中の行動の約半分がSNSやメッセージでした[3]。

所要 1分

04 続けるためのコツポモドーロが合わないと感じたら?

合わなければ、区切りの長さを変えるか、自分で休む方法に戻して構いません。実験では、どの休み方も作業の進み具合は同じでした。

ポモドーロは、ネットでよく勧められるわりに、研究ではあまり調べられてこなかった方法です[2]。「効かない」と決まったわけでもありません。自分で数日試し、始めやすさが変わるかを確かめるのが現実的です。

05よくある質問

ポモドーロ・テクニックは先延ばしに効果がありますか?

先延ばしそのものを結果として測った査読済みの研究は、まだ見つかっていません。休み方を比べた実験では、25分作業と5分休憩でも、自分で休みを決めた人と作業の進み具合に差はありませんでした。始めるきっかけとして使うのは自由ですが、それだけで先延ばしが治るという根拠はまだありません。

25分と5分という時間には科学的な根拠がありますか?

この時間の組み合わせが最適だと示した研究はありません。実験で使われた区切りも、24分と6分、25分と5分、12分と3分とさまざまでした。12分と3分は、学生の多くに「短すぎて休みが多すぎる」と受け止められていました。

ポモドーロの休憩中にスマホを見てもいいですか?

12分ごとに休む実験では、休憩中にしたことの約半分(49.64%)がSNSやメッセージでした。休憩中に何をするかを先に決めておくのも、1つの方法です。

出典

  1. Biwer, F., Wiradhany, W., Oude Egbrink, M. G. A., & de Bruin, A. B. H. (2023). Understanding effort regulation: Comparing 'Pomodoro' breaks and self-regulated breaks. British Journal of Educational Psychology, 93(Suppl 2), 353-367. https://doi.org/10.1111/bjep.12593
  2. Smits, E. J. C., Wenzel, N., & de Bruin, A. (2025). Investigating the Effectiveness of Self-Regulated, Pomodoro, and Flowtime Break-Taking Techniques Among Students. Behavioral Sciences, 15(7), 861. https://doi.org/10.3390/bs15070861
  3. Göksu, A., Wiradhany, W., & de Bruin, A. B. H. (2026). When to Take a Break: Comparing Effects of Systematic Short (Pomodoro) and Self-Regulated Breaks on Subjective Experience and Actual Learning. Behavioral Sciences, 16(7), 1158. https://doi.org/10.3390/bs16071158
  4. Ogut, E. (2025). Assessing the efficacy of the Pomodoro technique in enhancing anatomy lesson retention during study sessions: a scoping review. BMC Medical Education, 25, 1440. https://doi.org/10.1186/s12909-025-08001-0
  5. Rozental, A., Bennett, S., Forsström, D., Ebert, D. D., Shafran, R., Andersson, G., & Carlbring, P. (2018). Targeting Procrastination Using Psychological Treatments: A Systematic Review and Meta-Analysis. Frontiers in Psychology, 9, 1588. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.01588
  6. Browarczyk, W. M., Kowalski, J., Pietruch, M., Piwińska, J., Wypych, M., & Michałowski, J. M. (2026). Comparative efficacy of CBT protocols with different behavioral techniques for procrastination: a randomized controlled trial. PsyArXiv(査読前の論文). https://doi.org/10.31234/osf.io/245au_v1