習慣

続けてきた習慣に飽きてしまったら?「飽き」と変化の研究でわかった立て直し方

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ジムに並ぶ色とりどりのダンベル
Photo: Ser Amantio di Nicolao / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

最初は楽しかった運動や勉強の習慣が、いつの間にか「またこれか」に変わる。飽きるのは、意志が弱いからではありません。同じものを繰り返すと楽しさが下がるのは、多くの研究で見られるふつうの反応です。立て直しの手がかりは、中身に少し変化をつけることと、これまでの変化を思い出すことでした。

3行でわかる

  1. 同じことを繰り返すと楽しさが下がる「飽き」は、多くの研究で見られるふつうの反応で、習慣が身についた途中にも起こります。
  2. 運動をしていなかった大学生121人の実験では、中身に変化をつけたグループのほうが6週間の運動プログラムを続けていました。
  3. 飽きは「どれだけ繰り返したと感じるか」でも変わります。これまでの変化を思い出すと、飽きからの回復が早まったという実験があります。

01 悩みの正体続けてきた習慣に飽きてしまうのはなぜ?

同じことを繰り返すと、楽しさが少しずつ下がっていくからです。研究ではこれを「快の低下(飽き)」と呼びます。体の反応だけでなく、「もう十分やった」という自分の受け止め方でも強まります。

GalakとRedden(2018)のレビューは、同じものに繰り返し触れると、楽しさが下がるのがふつうだとまとめています[1]。食べ物でも、音楽でも、毎日の運動でも同じです。

このレビューは、飽きの原因を3つに分けています[1]。

飽きの原因習慣でいうと
体の反応同じ刺激に体が慣れて、反応が弱くなる
感じ方の変化同じ景色・同じメニューが新鮮に見えなくなる
自分の受け止め方「もう何回もやった」「またこれだ」と考える

3つ目の受け止め方は、変えられる部分です。ReddenとGalak(2013)は、飽きは実際に繰り返した量だけで決まらないことを実験で示しました。「最近どれだけやったと感じるか」にも左右されていました[2]。

つまり、飽きたと感じても、習慣が壊れたわけではありません。続けているから飽きた、とも言えます。効果が見えずにやめたくなるときの考え方は効果が見えずやめたくなったときの記事で書いています。

02 科学的にわかっていること習慣に飽きたら、中身を変えたほうがいい?

変えるほうが続きやすいという研究があります。運動の実験では、中身に変化をつけたグループのほうがプログラムを続けていました。ただし効果は小さく、楽しさや退屈さには差が出なかった研究もあります。

Sylvesterら(2016)[3]

ふだん運動をしていない大学生を、変化の多い運動プログラムと、変化の少ないプログラムにランダムに分けました。6週間後、変化の多いグループのほうがプログラムをよく続けていました。続けやすさの差の一部は、本人が「いろいろやれている」と感じたかどうかで説明できました。

対象: 運動不足の大学生121人、6週間 / 限界: 効果の大きさは小さめ(偏イータ2乗 .05)。6週間より長く続くかはわからない。

121人・6週間

中身に変化をつけると運動が続きやすかった、ランダム化比較試験の規模[3]

Dregneyら(2025)[4]

14種類の運動メニューから週3つ以上を選ぶグループと、1種類のメニューを週3回以上くり返すグループを8週間比べました。変化をつけたグループは、自分で決めている感覚(自律性)や、運動中の落ち着き、「自分はできる」という自信が高くなりました。一方で、楽しさや退屈さには、グループ間で差が出ませんでした。

対象: アメリカの運動量の少ない18〜25歳の大学生47人 / 限界: 運動量の差は統計的にはっきりしない水準(p = .072)で、著者らも慎重に解釈するよう述べている。

Galak・Redden・Kruger(2009)[5]

あるものに飽きた人に、それ以外にこれまで楽しんできたものを思い出してもらいました。すると、飽きからの回復が早まりました。人はふだん、こうした過去の変化を自分からは思い出さないことも示されています。

対象: 予備調査と2つの実験(Journal of Consumer Research)。3種類の異なる対象で確かめた / 限界: 音楽や食べ物など楽しみの研究で、運動や勉強の習慣で直接確かめたものではない。

03 今日からできる小さな一歩飽きた習慣を立て直すには、何から始める?

やめる前に、目的はそのままで中身だけを3通りに増やします。そのうえで、これまでにやってきた変化を書き出して思い出します。続ける回数のルールは、いったん変えなくてかまいません。

1

「飽きた」を失敗と数えない

繰り返せば楽しさが下がるのはふつうの反応です。やめる理由ではなく、「中身を変える時期の合図」と考えます。

所要 0分

2

同じ目的で、メニューを3つ用意する

運動なら、散歩・自転車・家での筋トレ。勉強なら、問題集・音読・人に説明する。目的は変えず、やり方だけを入れ替えます。

所要 5分

3

今週は、ちがうメニューを2つ以上使う

研究では、週に3種類以上を選ぶやり方が使われていました。毎回同じにならないよう、カレンダーにメニュー名を書いておきます。

所要 1分

4

これまでの変化を3つ書き出す

「先月は朝に走った」「雨の日は家で動画を見ながらやった」など、同じ習慣の中で試してきたちがいを思い出します。「ずっと同じことの繰り返し」という感覚がやわらぎます。

所要 2分

04 続けるためのコツ飽きにくい形で習慣を続けるコツは?

中身を変える余地を最初から作っておくことと、「楽しい」と感じる要素を残すことです。ただし、変えすぎて毎回やり方を考える手間が増えると、かえって負担になります。

05よくある質問

習慣に飽きるのは、向いていない証拠?

向いていない証拠とは限りません。同じことを繰り返すと楽しさが下がるのは、多くの研究で見られるふつうの反応です。飽きは、習慣を続けてきたからこそ起きるものでもあります。

飽きたら、別の習慣に乗り換えたほうがいい?

目的まで変える必要はありません。運動の研究では、同じ目的のまま中身に変化をつけたグループのほうが、6週間のプログラムを続けていました。まずはやり方だけを入れ替えるのがおすすめです。

メニューを変えれば、必ず飽きなくなる?

必ずではありません。47人の大学生の8週間の実験では、14種類のメニューを使ったグループでも、楽しさや退屈さは1種類のグループと差が出ませんでした。変化は続けやすさを支える手段の1つと考えるのが妥当です。

飽きて何日か休んでしまったら、もう一度始められる?

始められます。飽きて休んだことは、習慣が消えたことを意味しません。中身を少し変えたメニューで、いつもの時間と場所から再開すると戻りやすくなります。

出典

  1. Galak, J., & Redden, J. P. (2018). The properties and antecedents of hedonic decline. Annual Review of Psychology, 69, 1-25. https://doi.org/10.1146/annurev-psych-122216-011542
  2. Redden, J. P., & Galak, J. (2013). The subjective sense of feeling satiated. Journal of Experimental Psychology: General, 142(1), 209-217. https://doi.org/10.1037/a0028896
  3. Sylvester, B. D., Standage, M., McEwan, D., Wolf, S. A., Lubans, D. R., Eather, N., Kaulius, M., Ruissen, G. R., Crocker, P. R., Zumbo, B. D., & Beauchamp, M. R. (2016). Variety support and exercise adherence behavior: experimental and mediating effects. Journal of Behavioral Medicine, 39(2), 214-224. https://doi.org/10.1007/s10865-015-9688-4
  4. Dregney, T. M., Thul, C., Linde, J. A., & Lewis, B. A. (2025). The impact of physical activity variety on physical activity participation. PLOS ONE, 20(5), e0323195. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0323195
  5. Galak, J., Redden, J. P., & Kruger, J. (2009). Variety amnesia: Recalling past variety can accelerate recovery from satiation. Journal of Consumer Research, 36(4), 575-584. https://doi.org/10.1086/600066