睡眠

寝室はどれくらい暗くすればいい? 寝ている間の明かりの研究でわかった、暗くするやり方

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カーテンとブラインドのある寝室
Photo: Miguel Hermoso Cuesta / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

真っ暗だと落ち着かなくて、小さな明かりやテレビをつけたまま眠る人は少なくありません。研究では、部屋の明かりをつけたまま眠ると深い眠りの割合が減り、しかも本人はそれに気づいていませんでした。天井の照明を消し、外の光をカーテンやアイマスクでさえぎるだけで、寝室はかなり暗くできます。

3行でわかる

  1. 部屋の明かり(100ルクス)をつけたまま1晩眠った実験では、深い眠りとレム睡眠の割合が減り、寝ている間の心拍数が上がった。本人が感じた眠りの質は変わらなかった。
  2. 奈良の高齢者863人を調べた研究では、寝室の明るさが平均5ルクス以上の人は、5ルクス未満の人より、その後にうつ症状が出やすかった。
  3. 部屋を暗くできないときは、アイマスクが手軽な代わりになる。1週間使った実験では、翌日の覚える力が少し上がった。

01 悩みの正体目を閉じていれば、明かりは眠りに関係ない?

目を閉じていても、明かりは眠りに届きます。まぶたを通る光は5〜9%ほどと見積もられていますが、それでも眠りの深さや心拍に変化が出た実験があります。

私たちの体には、光で昼と夜を見分ける仕組みがあります。体内時計(1日のリズムを刻む脳の仕組み)は、目から入る光を手がかりにしています。

眠っている間はまぶたが光をかなりさえぎります。ある実験の論文では、閉じたまぶたを通って目に届く光は5〜9%ほどと見積もられています[1]。それでも、明るい部屋で眠ると、体は少し「起きている側」に寄ってしまうことがわかってきました。

昼間の光は、反対に夜の眠りを助けます。その研究は昼間に日光を浴びると夜よく眠れるのかで紹介しています。光は「昼は明るく、夜は暗く」がそろうと、体内時計が整いやすくなります。

02 科学的にわかっていること明かりをつけて寝ると、眠りはどう変わる?

部屋の明かりをつけたまま眠ると、深い眠りの割合が減り、寝ている間の心拍が上がりました。寝室が明るい人ほど、その後の体重増加やうつ症状が多いという調査もあります。

Masonら(2022)[1]

1晩目は全員を暗い部屋(3ルクス未満)で眠らせ、2晩目に半数だけ天井の照明(100ルクス)をつけたまま眠らせました。明かりの組は、深い眠りとレム睡眠の割合が減り、浅い眠りの割合が増えました。寝ている間の心拍数は上がり、翌朝はインスリン(血糖を下げるホルモン)の効きが悪くなっていました。

対象: 平均26歳ほどの健康な大人20人(各組10人)、研究室での2晩 / 限界: 人数が少なく1晩だけの実験です。眠りを促すホルモン(メラトニン)の量には差がなく、本人が感じた眠りの質も変わりませんでした。

100ルクス

実験で「つけたまま眠った」明るさ。ふつうの室内照明くらいの明るさとして選ばれた[1]

Obayashiら(2018)[2]

奈良県の高齢者の寝室に明るさの計測器を置き、うつ症状のなかった863人を約2年追いました。寝室が平均5ルクス以上だった153人は、5ルクス未満の710人に比べて、うつ症状が出る危険が1.89倍でした。年齢や持病、睡眠の状態をそろえて計算しても、1.72倍でした。

対象: 平均71.5歳の863人 / 限界: 観察研究なので、明かりが原因とまでは言えません。対象は高齢者だけです。

Parkら(2019)[3]

アメリカの女性43,722人を平均5.7年追いました。寝室でテレビや照明をつけたまま眠る人は、明かりなしで眠る人に比べて、5kg以上体重が増えた人が1.17倍でした。

対象: 35〜74歳の女性(夜勤の人などは除外) / 限界: 明かりも体重も本人の申告で、観察研究です。著者も「明かりを減らせば防げるかは、介入する研究で確かめる必要がある」としています。

暗くする道具の効果も調べられています。集中治療室の音と光を再現した部屋で14人が眠った実験では、耳栓とアイマスクを使うとレム睡眠が増え、途中で目覚める反応が減りました[4]。ふだんの自宅で1週間アイマスクを使った実験もあります。

Grecoら(2023)[5]

18〜35歳の人に、アイマスクで眠る1週間と、マスクなし(または目の部分に穴をあけたマスク)の1週間を両方試してもらいました。アイマスクの週のあとは、言葉のペアを覚えるテストの点がわずかに高く(65.06 対 63.87)、反応の速さも少し速くなりました。

対象: 1つ目の実験89人、2つ目の実験33人 / 限界: 差は小さめです。2つ目の実験では覚える力の差は再現しましたが、反応の速さの差は出ませんでした。マスクで深い眠りの時間が増えたわけでもありませんでした。

研究比べたことわかったこと
実験(20人)[1]100ルクス 対 3ルクス未満深い眠りの割合が減り、心拍が上がった
追跡調査(863人)[2]平均5ルクス以上 対 未満うつ症状が出る危険1.89倍
追跡調査(43,722人)[3]テレビや照明つき 対 明かりなし5kg以上の体重増加1.17倍
実験(14人)[4]光と音の中で耳栓とアイマスクレム睡眠が増え、目覚める反応が減った
実験(89人・33人)[5]アイマスク1週間 対 なし翌日の覚える力が少し上がった

03 今日からできる小さな一歩寝室を暗くするには、何から始める?

まず天井の照明とテレビを消して眠ります。次に、外の光や機器のランプをカーテンや覆いでさえぎり、それでも明るいならアイマスクを使います。

1

天井の照明とテレビを消してから眠る

実験で深い眠りが減ったのは、ふつうの室内照明くらいの明るさでした[1]。テレビをつけたまま眠る習慣も、照明と同じく明かりの元になります[3]。

所要 1分

2

外の光と、機器の小さなランプをふさぐ

街灯や朝日が入るなら、遮光カーテンにします。充電器やルーターのランプは、向きを変えるか、テープや布で覆います。スマホの照度計アプリが使えるなら、研究で「暗い」とされた平均5ルクス未満を目安にできます[2]。

所要 10分

3

暗くできないときはアイマスクを使う

同じ部屋の人が明かりをつける、カーテンを変えられないときに向きます。自宅の実験では、5晩ほど慣らしてから効果を調べていました[5]。最初の数日は違和感があっても、1週間ほど続けて判断します。

所要 0分(つけるだけ)

04 続けるためのコツ真っ暗が苦手な人は、どうすればいい?

明かりが必要なら、目に直接入らない低い位置に、できるだけ暗いものを置きます。寝る前の明かりと、寝ている間の明かりを分けて考えると続けやすくなります。

明るさを変えても眠れない日が続く、日中の眠気が強いときは、明かり以外の原因も考えられます。長く続くなら、医療機関に相談してください。

05よくある質問

寝るとき、豆電球(常夜灯)はつけていてもいい?

できれば消すか、目に入らない場所に置くのがおすすめです。高齢者863人の調査では、寝室の明るさが平均5ルクス以上の人で、その後うつ症状が出やすくなっていました。どうしても必要なら、足元など低い位置の、できるだけ暗い明かりにします。

明かりをつけたまま寝ても、ぐっすり眠れている気がするのですが?

本人の感覚では気づきにくい可能性があります。100ルクスの明かりで眠った実験では、深い眠りの割合が減り、心拍が上がりましたが、本人が感じた眠りの質は暗い部屋と変わりませんでした。ただし、20人で1晩だけの実験です。

アイマスクは本当に効果がありますか?

効果は小さめですが、自宅での実験で確かめられています。18〜35歳の人がアイマスクで1週間眠ると、翌日の言葉を覚えるテストの点がわずかに上がりました。2つ目の実験でも覚える力の差は再現しましたが、反応の速さの差は再現しませんでした。

明かりをつけて寝ると太るって本当?

関連はありますが、原因とまでは言えません。アメリカの女性43,722人の調査では、テレビや照明をつけたまま眠る人で、5kg以上体重が増えた人が1.17倍でした。明かりも体重も本人の申告で、ほかの生活習慣の違いが影響した可能性もあります。

出典

  1. Mason, I. C., Grimaldi, D., Reid, K. J., Warlick, C. D., Malkani, R. G., Abbott, S. M., & Zee, P. C. (2022). Light exposure during sleep impairs cardiometabolic function. Proceedings of the National Academy of Sciences, 119(12), e2113290119. https://doi.org/10.1073/pnas.2113290119
  2. Obayashi, K., Saeki, K., & Kurumatani, N. (2018). Bedroom Light Exposure at Night and the Incidence of Depressive Symptoms: A Longitudinal Study of the HEIJO-KYO Cohort. American Journal of Epidemiology, 187(3), 427-434. https://doi.org/10.1093/aje/kwx290
  3. Park, Y.-M. M., White, A. J., Jackson, C. L., Weinberg, C. R., & Sandler, D. P. (2019). Association of Exposure to Artificial Light at Night While Sleeping With Risk of Obesity in Women. JAMA Internal Medicine, 179(8), 1061-1071. https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2019.0571
  4. Hu, R.-F., Jiang, X.-Y., Zeng, Y.-M., Chen, X.-Y., & Zhang, Y.-H. (2010). Effects of earplugs and eye masks on nocturnal sleep, melatonin and cortisol in a simulated intensive care unit environment. Critical Care, 14(2), R66. https://doi.org/10.1186/cc8965
  5. Greco, V., Bergamo, D., Cuoccio, P., Konkoly, K. R., Muñoz Lombardo, K., & Lewis, P. A. (2023). Wearing an eye mask during overnight sleep improves episodic learning and alertness. Sleep, 46(3), zsac305. https://doi.org/10.1093/sleep/zsac305