先延ばし

返信を先延ばしして気まずくなったら? 久しぶりの連絡が「思ったより喜ばれる」研究と、送り出すコツ

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木の机でスマートフォンにメッセージを打つ手と、ノートパソコン
Photo: Rawpixel Ltd / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

返事をしようと思ったまま、何週間もたってしまった。今さら送るのは気まずくて、さらに先延ばしする。そんな悪循環に入っていませんか。研究では、久しぶりの連絡を受けた側は、送る側が思うより喜ぶことがわかっています。そして、気まずさを越える一番の近道は「自分を説得すること」ではなく、先に気軽な相手へ何通か送って手を慣らすことでした。

3行でわかる

  1. 連絡を受けた側の喜びは、送る側の予想より大きいことが、事前登録された複数の実験で示されました。疎遠な相手や、意外なタイミングの連絡ほど、このずれは大きくなります。
  2. ただし「喜ばれるよ」と知らせたり、背中を押す言葉を添えたりしても、実際に連絡した人は増えませんでした(453人・604人の実験)。
  3. 効いたのは、先に今の友だちへ3分間メッセージを送る練習です。疎遠な友だちに連絡した人が31%から53%に増えました(194人の実験)。

01 悩みの正体返信が遅れるほど、送りにくくなるのはなぜ?

返信の遅れそのものが「気まずい」「迷惑かも」という嫌な気分を生み、その気分を避けるためにさらに先延ばしするからです。先延ばしは、嫌な作業から目の前の気分を守る行動だと考えられています。

先延ばしの研究をまとめたSteel(2007)のメタ分析では、作業を「嫌だ」と感じる度合いが、先延ばしの強い予測因子の1つでした。相関は r = 0.40 と報告されています。

Sirois・Pychyl(2013)は、先延ばしを「今の気分を立て直すことを、先の目標より優先してしまう失敗」と整理しています(先延ばしと感情の研究)。返信でいえば、次のような流れです。

段階頭の中起きること
数日後ちゃんと返したい、あとで書こうまだ普通に返せる
数週間後遅れたことに触れないと失礼かも返信が「重い作業」になる
数か月後今さら迷惑かも、気まずい嫌な気分を避けて、さらに先送り

つまり、時間がたつほど作業が「嫌なもの」に育ち、先延ばししやすくなります。意志が弱いからではありません。

02 科学的にわかっていること久しぶりの連絡は、相手にどう受け取られる?

送る側が思うより、ずっと好意的に受け取られます。疎遠な相手や意外な連絡ほど、送る側の見積もりと相手の喜びの差は大きくなることが、複数の実験で示されています。

Liu・Rim・Min・Min(2023)[3]

短いメッセージや小さな贈り物で連絡したとき、受け取った側の感謝は、送った側の予想を一貫して上回りました。受け取った側は「驚き」に注目しやすく、その驚きが喜びを大きくしていました。ずれは、疎遠な相手からの連絡や、予想外のタイミングの連絡で大きくなりました。

対象: 事前に分析計画を登録した一連の実験(Journal of Personality and Social Psychology) / 限界: 測ったのは連絡した直後の気持ちで、関係がその後どう変わったかまでは調べていない。

Kumar・Epley(2018)[4]

感謝の手紙を書いた人は、受け取る人が感じる気まずさを大きく見積もり、うれしさを小さく見積もっていました。そして「気まずいだろう」と予想する人ほど、感謝を伝えたがりませんでした。

対象: 3つの実験。手紙を書いた人の予想と、受け取った人の実際の気持ちを比べた / 限界: 感謝の手紙という、もともと好意的な内容での結果。

Aknin・Sandstrom(2024)[5]

カナダの大学生401人のうち90.9%が「大切なのに疎遠になった友だち」がいると答えました。連絡をためらう理由の1位は「相手は連絡を望んでいないかも」(7段階で平均5.2)、2位は「今さら気まずい」(平均4.9)でした。

対象: 7つの研究のうちの研究1 / 限界: 連絡したいと思っている相手に限った調査で、関係が悪くなって離れた相手は含まない。

ここで大事なのは、同じ論文の続きの実験です。「喜ばれる」とわかっていても、人はなかなか送りません。

実験やったこと連絡した人の割合
研究3(453人)文面を書く時間をとり、「相手の立場なら嬉しいはず、誰かが先に」と促す全体で27.8%。促しの有無で差なし
研究4(604人)「短い連絡は喜ばれやすく、返事を求めるものでもない」と伝える35.0%。何も伝えない群(42.3%)と差なし
研究7(194人)先に今の友だちへ3分間メッセージを送る53%。練習なし(31%)より多い

別の参加者に予想してもらうと、56.6%が連絡すると答えました。実際の27.5%の約2倍です。「そのうち送れるはず」という見通しは、自分にも他人にも甘くなりがちだといえます。

03 今日からできる小さな一歩先延ばしした返信、どう送り出せばいい?

まず今の友だちに2〜3通、気軽なメッセージを送って手を慣らします。その流れのまま、遅れた相手には短い一言を書いて、同じ場で送ります。説得より「送る動作」を先にするのがコツです。

1

先に、気軽な相手へ2〜3通送る

家族や最近やりとりした友だちに、「元気?」程度のメッセージを送ります。研究7では、3分間でおよそ3人に送る練習をした群で、疎遠な相手に連絡した人が増えました。

所要 3分

2

遅れた相手への文面は2〜3文にする

「返事が遅くなってごめん。〇〇の話、ずっと気になってた。元気にしてる?」くらいで十分です。長い言い訳を書こうとすると、返信がまた「重い作業」に戻ってしまいます。

所要 2分

3

書いたら、その場で送る

「あとで見直してから」は先延ばしの入り口です。研究3でも、文面を書く時間があったのに、送ったのは3割未満でした。下書きに残さず、送信まで一気に進めます。

所要 30秒

4

送った後は、返事を待たずに終える

返事が来るかどうかは相手のペースです。送れた時点で、あなたの課題は終わりです。研究3と研究7では、送った人のほうが、送らなかった人より直後の前向きな気分が高めでした(比べただけの結果で、送ったことが原因とまでは言えません)。

所要 0分

04 続けるためのコツまた返信をためないためには?

返信を「ちゃんと書く作業」にしないことです。すぐに全部返せないときは、受け取ったことだけ先に伝える一言を送り、自分を責めすぎずに次へ進みます。

05よくある質問

返信が何か月も遅れてしまった。今さら送ると迷惑?

研究では、受け取った側は送る側が思うより喜ぶことが示されています。疎遠な相手や意外なタイミングほど、その差は大きくなりました。長い謝罪より、短く「遅くなってごめん、元気?」と送るのがおすすめです。

「喜ばれる」とわかっても送れません。どうすれば?

それは自然なことです。同じ研究でも、喜ばれると伝えたり背中を押したりするだけでは、連絡した人は増えませんでした。効いたのは、先に今の友だちへ3分間メッセージを送る練習です。考えるより、送る動作から始めてみてください。

送ったのに返事がこなかったら?

返事がこないことはあり得ます。研究は相手が喜ぶ傾向を示したもので、全員が返事をくれるとは限りません。送れた時点で、あなたがやれることは終わっています。続けて何度も送るより、しばらく待つほうが気が楽です。

出典

  1. Steel, P. (2007). The nature of procrastination: A meta-analytic and theoretical review of quintessential self-regulatory failure. Psychological Bulletin, 133(1), 65-94. https://doi.org/10.1037/0033-2909.133.1.65
  2. Sirois, F., & Pychyl, T. (2013). Procrastination and the priority of short-term mood regulation: Consequences for future self. Social and Personality Psychology Compass, 7(2), 115-127. https://doi.org/10.1111/spc3.12011
  3. Liu, P. J., Rim, S., Min, L., & Min, K. E. (2023). The surprise of reaching out: Appreciated more than we think. Journal of Personality and Social Psychology, 124(4), 754-771. https://doi.org/10.1037/pspi0000402
  4. Kumar, A., & Epley, N. (2018). Undervaluing gratitude: Expressers misunderstand the consequences of showing appreciation. Psychological Science, 29(9), 1423-1435. https://doi.org/10.1177/0956797618772506
  5. Aknin, L. B., & Sandstrom, G. M. (2024). People are surprisingly hesitant to reach out to old friends. Communications Psychology, 2, 34. https://doi.org/10.1038/s44271-024-00075-8
  6. Svartdal, F., et al. (2022). The ABC of academic procrastination: Functional analysis of a detrimental habit. Frontiers in Psychology, 13, 1019261.(Steel 2007の相関 r = 0.40 の引用元として参照) https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.1019261