習慣

目標を人に話すと叶いやすいのか。4つの研究でわかった「話し方」次第で結果が変わる理由

約4分で読めます

Business agreement handshake at coffee shop
Photo: rawpixel.com / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

目標を人に話すと、後に引けなくなって頑張れる——そう聞いたことがあるかもしれません。ダイエットも資格の勉強も、「宣言したから」自分を奮い立たせようとした経験がある人は多いはずです。ですが実は、目標の話し方や話す相手によっては、逆に努力が続かなくなることが複数の研究からわかっています。

3行でわかる

  1. 「〇〇になりたい」という目標をただ人に話すだけだと、かえって努力が減ることが実験でわかった
  2. 話す相手が自分より立場が上だと感じる人だと、努力や成果が上がりやすいことも確認された
  3. 目標そのものより、進捗を報告し続ける仕組みがあるかどうかが達成率を左右する

01悩みの正体を、やさしい言葉で

「人に話せば後に引けない」という直感は、話し方次第で裏目に出ることがある。

目標を打ち明ける理由の多くは、「言ったからにはやらなきゃ」というプレッシャーを自分にかけるためです。SNSに新年の抱負を書いたり、友人に「今年こそ資格を取る」と宣言したりするのも同じ心理です。

「宣言したのに三日坊主で終わった」と感じたことがある人は少なくありません。心理学の研究では、この「宣言すれば頑張れる」という考え方がいつも正しいわけではないことがわかっています。ポイントは、何を・誰に・どう話すかです。

02科学的にわかっていること

ただの宣言は逆効果になりうる一方、相手や仕組み次第で努力を後押しすることも研究でわかっている。

Gollwitzerら(2009)[1]

「弁護士になりたい」のような、なりたい自分に関わる目標を人に話すと、話さなかった人より行動が減ることが4つの実験でわかった。人に知られるだけで、まだ達成していないのに「もうその自分に近づいた」という満足感が生まれてしまうためだと考えられている。

対象: 大学生や成人を対象にした4つの実験(フィールド調査と実験室実験) / 限界: 「なりたい自分」に関わる目標が対象で、具体的な行動目標にそのまま当てはまるとは限らない

Kleinら(2020)[2]

目標を打ち明ける相手が自分より立場が上だと感じる人の場合、目標への本気度も実際の成果も上がった。逆に自分より立場が下だと感じる相手や、誰にも話さない場合には、この効果は見られなかった。

対象: 社会人を対象にした4つの調査・実験 / 限界: 「評価されるかもしれない」という緊張感が鍵で、緊張を感じない相手には同じ効果は期待しにくい

Harkinら(2016・メタ分析)[3]

目標の進み具合を記録・報告する仕組みがあると、目標達成率が上がることが138件・19,951人分の研究をまとめた分析でわかった。特に、記録した内容を誰かに見せたり公開したりする場合に効果が大きくなった。

対象: 138件のランダム化実験を統合した分析(効果量d=0.40) / 限界: 効果の大きさは中程度で、進捗管理だけで目標が自動的に叶うわけではない

Coupeら(2019・系統的レビュー)[4]

減量に取り組む人を対象にした系統的レビューでは、目標達成の約束(コミットメント)をした人は、しなかった人より半年時点で体重が平均1.5kg多く減り、1年後も1.7kg分の差が残っていた。特に、その約束を公開して行った場合に効果が大きい傾向も報告されている。

対象: 10件の試験を統合したレビュー(半年時点3試験・409人、1年時点2試験・302人) / 限界: 研究の質にばらつきがあり、長期的な効果はさらに検証が必要

03今日からできる小さな一歩

「なりたい自分」ではなく「具体的な行動と進捗」を、話す相手を選んで伝える。

1

目標は「状態」でなく「行動」で話す

「痩せたい」ではなく「毎日20分歩く」のように、具体的な行動として人に伝える。なりたい自分をアピールする話し方は避ける。

所要 1分

2

話す相手を選ぶ

話しても気が緩まない相手、つまり「ちゃんとやらないと格好悪い」と自分が感じる相手を1人選ぶ。

所要 5分

3

進捗を報告する約束をする

「週1回、進んだかどうかを報告する」と相手と決める。LINEやメモでの一言報告でもよい。

所要 週1回・5分

04続けるためのコツ

「話した満足感」で終わらせず、報告する仕組みを最後まで動かし続ける。

05よくある質問

SNSで目標を公言するのは逆効果ですか?

「〇〇になりたい」というアイデンティティの宣言だけだと、満足感が先に生まれて努力が続きにくくなる可能性があります。行動の予定や進捗を具体的に報告する投稿に変えると、公開の効果を活かしやすくなります。

家族と職場の同僚、どちらに話すほうがいいですか?

研究では「相手の立場が自分より上だと感じるかどうか」が鍵でした。関係の種類よりも、報告を怠ると気まずいと感じられる相手かどうかで選ぶとよさそうです。

出典

  1. Gollwitzer, P. M., Sheeran, P., Michalski, V., & Seifert, A. E. (2009). When intentions go public: Does social reality widen the intention-behavior gap? Psychological Science, 20(7), 612-618. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2009.02336.x
  2. Klein, H. J., Lount, R. B., Park, H. M., & Linford, B. J. (2020). When goals are known: The effects of audience relative status on goal commitment and performance. Journal of Applied Psychology, 105(4), 372-389. https://doi.org/10.1037/apl0000441
  3. Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P. I., Prestwich, A., Conner, M., Kellar, I., Benn, Y., & Sheeran, P. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 142(2), 198-229. https://doi.org/10.1037/bul0000025
  4. Coupe, N., Peters, S., Rhodes, S., & Cotterill, S. (2019). The effect of commitment-making on weight loss and behaviour change in adults with obesity/overweight: a systematic review. BMC Public Health, 19(1), 816. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6591991/