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犬がチョコを食べてしまったら? 危ない量の目安と、すぐやること・やってはいけないことを獣医学の研究で調べた

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Photo: Dktue / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

目を離したすきに、犬がテーブルのチョコを食べてしまった。焦りますよね。まずやることは、チョコの種類・量・食べた時刻を確かめて、すぐ動物病院に電話することです。危なさは「何を、体重1kgあたりどれだけ」食べたかで決まります。獣医学の研究では、早めに処置を受けた犬の多くは回復しています。家で塩やオキシドールを使って吐かせるのはやめてください。

3行でわかる

  1. 犬に毒になるのは、チョコに入っているテオブロミンという成分です。体重1kgあたり20mgで軽い症状、40〜50mgで重い症状、60mgでけいれんが出るとされます。
  2. テオブロミンは種類で大きく違います。1gあたり、ミルクチョコ約2mg、ダークチョコ約5mg、ココアパウダーや製菓用の無糖チョコは14mg以上で、ホワイトチョコにはほとんどありません。
  3. チョコを食べて動物病院に来た犬156匹の調査では、症状が出たのは44匹で、そのうち43匹が回復しました。種類・量・時刻を伝えて早く診てもらうことが大切です。

01 悩みの正体犬にとってチョコが危ないのはなぜ?

犬にとってチョコが危ないのは、カカオに含まれるテオブロミンが心臓や神経を興奮させるからです。犬はこの成分をゆっくりしか処理できず、体の中に長く残ります。

テオブロミンはカフェインの仲間です。心臓の動きを速め、神経を興奮させ、おしっこを増やします。人ならチョコ1枚で困ることはありません。でも犬は、体の大きさに対して食べる量が多くなりやすく、成分も長く残ります。

獣医学のレビューによると、犬の体ではテオブロミンがゆっくり吸収され、血液中の量が最も高くなるのは約10時間後です。最初の症状は、食べてから2〜4時間で出ることが多いとされます。落ち着きがない、水をよく飲む、おもらし、吐く、下痢などです。進むと、体温が上がる、脈が速い、ふるえ、不整脈、けいれんが起きることがあります。

02 科学的にわかっていること犬はどれくらいチョコを食べると危ない?

犬が危ないかどうかは、テオブロミンの量を体重で割って考えます。体重1kgあたり20mgが軽い症状の目安なので、5kgの犬ならミルクチョコ50g、ダークチョコ20gで届きます。

次の表は、レビューの数値(ミルク約2mg/g、ダーク約5mg/g、ココアパウダー・無糖チョコ14mg/g)をもとに、軽い症状の目安(20mg/kg)に届く量を計算したものです。

犬の体重ミルクチョコダークチョコココア・無糖チョコ
3kg30g12g約4g
5kg50g20g約7g
10kg100g40g約14g
20kg200g80g約29g

これは症状が出始める目安で、安全な量ではありません。成分の量は製品で違い、犬によって処理する力にも差があります。目安より少なくても、迷ったら病院に相談してください。

Cortinovis C, Caloni F(2016)[1]

犬や猫に毒になる家庭の食べものをまとめたレビューです。チョコの中毒は犬に多く、祝日のころに増えます。食べて2〜4時間以内に処置できれば、見通しはたいてい良いとしています。

対象: 既存の研究と中毒相談の記録のまとめ。 / 限界: 量の目安は、アメリカの動物中毒相談センターのデータに基づく値です。

Weingart C, Hartmann A, Kohn B(2021)[2]

チョコを食べて動物病院に来た156匹のうち、112匹は症状がありませんでした。症状が出た44匹のうち28匹はダークやビターのチョコを食べていました。処置を受けて44匹中43匹が回復し、亡くなったのは3%未満でした。

対象: 2015〜2019年に動物病院に来た犬の記録を振り返った調査。 / 限界: 病院に連れて来られた犬だけの記録で、家で様子を見た犬は含まれません。よく見られた症状は、興奮33匹、ふるえ22匹、嘔吐21匹でした。

Noble PMら(2017)[3]

イギリスの229の動物病院の記録では、チョコを食べた犬の診察はクリスマスの時期にふだんより多く(オッズ比4.74)、イースターの時期にも多くなりました(同1.97)。8歳以上の犬では4歳未満の犬より少なく、26%は食べてから1時間以内に、56%は6時間以内に来院していました。

対象: 2012〜2017年の犬375匹。 / 限界: 嘔吐は17%、興奮は3%で、命に関わる症状の例はありませんでした。量がわかった例の41%は、症状の目安より少ない量でした。

Niedzwecki AHら(2017)、Khan SAら(2012)、Khanna Cら(1997)[4][5][6]

吐かせる目的で3%過酸化水素水(オキシドール)を飲ませた健康な犬6匹では、全頭の胃の粘膜に傷ができ、24時間後にはさらに悪化していました。塩を大量に食べた犬が、血液のナトリウムが高くなりすぎて亡くなった報告もあります。

対象: 犬6匹の実験と、1匹の症例報告。 / 補足: 中毒相談センターの指示のもとで使った147匹の調査では、過酸化水素水の副作用は軽く一時的とされています。家で自己判断で使うのとは条件が違います。

03 今日からできる小さな一歩犬がチョコを食べたら、まず何をする?

犬がチョコを食べたら、残りを片付けて種類・量・時刻を確かめ、体重と一緒に動物病院へ電話します。家で吐かせようとせず、指示を待つのが基本です。

1

残りを片付けて、包み紙を取っておく

ほかの犬や同じ犬がさらに食べないようにします。包み紙や箱で、ミルクかダークか、カカオ分、内容量を確かめます。減った量と食べた時刻をメモします。

所要 1分

2

すぐ動物病院に電話する

「種類・量・時刻・犬の体重」を伝えます。上の表は目安として使えます。症状がなくても電話します。夜間なら夜間救急の動物病院に連絡します。

所要 5分

3

家で吐かせない

塩やオキシドールを飲ませるのは危険です。吐かせるかどうか、どの方法を使うかは獣医師が決めます。

所要 0分

4

その日から翌日まで様子を見る

症状は2〜4時間で出始めることが多く、成分は約10時間後まで増え続けます。落ち着きがない、ハアハアする、ふるえ、吐くなどが出たら、すぐ病院に伝えます。

所要 半日〜1日

04 続けるためのコツ犬がまたチョコを食べないようにするには?

犬のチョコ事故を防ぐには、チョコが家に増える時期に、犬の届かない閉まる場所へしまうことです。研究では、祝日の時期と若い犬で事故が多くなっていました。

05よくある質問

犬がチョコを少しだけ食べた場合も、病院に行くべき?

まず動物病院に電話して相談してください。危なさは、チョコの種類と量を犬の体重で割って判断します。5kgの犬なら、ミルクチョコ50g、ダークチョコ20gで軽い症状の目安に届きます。少しでもココアパウダーや無糖チョコは量が多いので注意が必要です。

犬がチョコを食べてから、どれくらいで症状が出る?

獣医学のレビューでは、最初の症状は食べてから2〜4時間で出ることが多いとされます。テオブロミンは吸収がゆっくりで、血液中の量が最も高くなるのは約10時間後です。食べた日から翌日まで様子を見てください。

ホワイトチョコなら犬が食べても大丈夫?

ホワイトチョコには、テオブロミンはほとんど含まれないとされています。ただし脂肪と砂糖が多く、ナッツやレーズンなど別の材料が入っていることもあります。食べた量が多いときは、動物病院に相談してください。

出典

  1. Cortinovis C, Caloni F (2016). Household Food Items Toxic to Dogs and Cats. Frontiers in Veterinary Science, 3, 26. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4801869/
  2. Weingart C, Hartmann A, Kohn B (2021). Chocolate ingestion in dogs: 156 events (2015-2019). Journal of Small Animal Practice, 62, 979-983. https://doi.org/10.1111/jsap.13329
  3. Noble PM, Newman J, Wyatt AM, Radford AD, Jones PH (2017). Heightened risk of canine chocolate exposure at Christmas and Easter. Veterinary Record, 181(25), 684. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5749306/
  4. Niedzwecki AH, Book BP, Lewis KM, Estep JS, Hagan J (2017). Effects of oral 3% hydrogen peroxide used as an emetic on the gastroduodenal mucosa of healthy dogs. Journal of Veterinary Emergency and Critical Care, 27, 178-184. https://doi.org/10.1111/vec.12558
  5. Khan SA, McLean MK, Slater M, Hansen S, Zawistowski S (2012). Effectiveness and adverse effects of the use of apomorphine and 3% hydrogen peroxide solution to induce emesis in dogs. Journal of the American Veterinary Medical Association, 241(9), 1179-1184. https://doi.org/10.2460/javma.241.9.1179
  6. Khanna C, Boermans HJ, Wilcock B (1997). Fatal hypernatremia in a dog from salt ingestion. Journal of the American Animal Hospital Association, 33(2), 113-117. https://doi.org/10.5326/15473317-33-2-113