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お腹を壊して吐いた・下痢したあとは? いつから食べて何を飲むかを研究で調べた

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緑の器に入ったおかゆ
Photo: JIP / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

吐いたり下痢をしたりして、やっと落ち着いてきた。でも、いつから食べていいのか、何を飲めばいいのかわからない。研究では、何時間も絶食するより、水分をとりながら早めに食べ始めても悪化は増えませんでした。軽い胃腸炎なら、飲み物は飲みやすいものから始めてかまいません。

3行でわかる

  1. 胃腸炎の治療の中心は水分補給です。原因で最も多いノロウイルスに、抗菌薬は効きません。
  2. 12件・1,283人の子どもの試験をまとめると、早めに食べ始めても、点滴・嘔吐・長引く下痢は増えませんでした。
  3. 軽い子どもでは薄めたりんごジュース、大人ではスポーツドリンクでも回復は同じくらいでした。下痢が続くなら経口補水液が向いています。

01 悩みの正体お腹を壊したあと、食べずに休ませるべき?

昔は「腸を休ませるために何も食べない」が勧められてきました。しかし研究では、早めに食べ始めても吐く・下痢が長引くといった悪化は増えませんでした。いちばん大事なのは水分です。

急に吐いたり下痢をしたりする「急性胃腸炎」の原因で、世界で最も多いのはノロウイルスです。2025年のレビューによると、ノロウイルスはどの年代でも胃腸炎の一番の原因でした。ウイルスが原因なので、抗菌薬(抗生物質)は効きません。治療の中心は、体から出ていった水分を補い、食事で栄養をとることです。

一方で「腸が傷んでいるから、しばらく何も食べないほうがいい」という考えも根強くあります。コクランのレビューも、子どもは下痢の間や後に食事を止められてきたと書いています。では、食べ始めるのは早くても大丈夫なのでしょうか。水分は何を飲めばいいのでしょうか。体の水分不足が集中力に与える影響はのどが渇くと集中できないのはなぜ?で紹介しています。

02 科学的にわかっていることいつから食べていい? 何を飲めばいい?

12件の試験をまとめたレビューでは、早めに食べ始めても悪化は増えませんでした。軽い胃腸炎なら、飲みやすい飲み物でも水分補給がうまくいった試験があります。

よくある疑問研究でわかったこと
早く食べると悪化する?12件・1,283人の子どもの試験で、点滴・嘔吐・長引く下痢は増えなかった
経口補水液でないとだめ?軽い子どもでは、薄めたりんごジュースのほうが治療の失敗が少なかった(16.7%対25.0%)
大人はスポーツドリンクでいい?75人の試験で回復は同じくらい。ただしカリウム不足が続いた人が多かった
治ったのに胃の調子が悪い胃腸炎の後に胃の不調が続くことがあり、ノロウイルスで多いと報告されている

Gregorio GV, Dans LF, Silvestre MA(2011、コクラン・レビュー)[1]

下痢の子どもで「早く食べ始める」と「遅く食べ始める」を比べた12件の試験(1,283人)をまとめました。早い群は水分補給を始めてから12時間以内、遅い群は20〜48時間後に食べ始めています。点滴が追加で必要になった子(6件・813人)、吐いた子(5件)、下痢が長引いた子(4件・522人)の数に、差はありませんでした。

対象: 10歳未満の急性の下痢の子ども。 / 限界: 試験の多くは低所得の国で行われ、割り付けを隠していたのは2件だけでした。下痢が続く日数については、結論を出せませんでした。

Freedman SB, Willan AR, Boutis K, Schuh S(2016)[2]

軽い胃腸炎の子ども647人を2つに分けました。片方は半分に薄めたりんごジュースで始め、その後は好きな飲み物を飲みました。もう片方は経口補水液(電解質の飲料)です。7日以内の「治療の失敗」(点滴・入院・再受診など)は、りんごジュースの群が16.7%、経口補水液の群が25.0%でした。点滴を受けた子も2.5%対9.0%で少なくなりました。

対象: カナダ・トロントの小児救急に来た生後6〜60か月で、脱水がほとんどない子ども。 / 限界: 脱水が中くらい以上の子は対象外です。入院や下痢・嘔吐の回数には差がありませんでした。

Rao SSら(2006)[3]

ウイルス性胃腸炎で入院した大人75人に、スポーツドリンク(ゲータレード)、経口補水液(ペディアライト)、新しい補水液のどれかを48時間飲んでもらいました。ヨーグルトとご飯は自由に食べてよい条件です。3群とも便の回数や体重が改善し、群の間に差はありませんでした。ただしスポーツドリンクの群では、血液のカリウムが低い人が最後まで多めでした。

対象: アメリカの病院の大人75人(最後まで続けたのは60人)。 / 限界: 人数が少なく、2割が途中でやめています。入院するほどの人での結果です。

King CKら・アメリカ疾病対策センター(CDC、2003)[4]、Patel Pら(2025)[5]

CDCの指針は、水分補給と、年齢に合った食事を続けることを組み合わせるよう勧めています。早めの栄養と水分補給の組み合わせは、世界中で効果があったと書いています。2025年のレビューも、治療の中心は水分と栄養の補給だとしています。脱水のない中くらいの症状なら、スポーツドリンクやスープで水分を保てるとも説明しています。

補足: CDCの指針は子ども向けです。レビューは、体の弱った高齢者は脱水になりやすく、重い脱水には点滴が必要だとしています。

03 今日からできる小さな一歩吐き気や下痢が落ち着いてきたら、何をする?

まず飲める量から水分をとり、食べられそうになったら普段の食事に戻していきます。飲み物は飲みやすいものでよく、続くときは経口補水液に切り替えます。

1

飲める量から水分をとる

吐き気が落ち着いたら、飲める量から始めます。治療の中心は水分補給だと、今回調べた資料はどれも書いています。

所要 1回数口から

2

軽いなら、飲みやすい飲み物でいい

脱水がほとんどない子どもでは、薄めたりんごジュースや好きな飲み物でうまくいきました。大人のスポーツドリンクも回復は同じくらいでした。

所要 0分

3

下痢が続くなら経口補水液にする

スポーツドリンクだけだとカリウムが不足しがちでした。下痢が何日も続くときや、脱水が気になるときは経口補水液に切り替えます。

所要 0分

4

食べられそうなら、食べ始める

何時間も絶食を続ける必要はありません。大人の試験では、ヨーグルトやご飯を自由に食べていました。食欲に合わせて少しずつ普段の食事に戻します。

所要 1食ずつ

04 続けるためのコツ回復が遅いとき、どこで受診を考える?

水分も吐いてしまう、尿がほとんど出ない、便に血が混じるときは医療機関に相談してください。高齢の家族や小さな子どもは脱水になりやすいので、早めに相談します。

05よくある質問

お腹を壊したら、何も食べないほうが早く治る?

研究では、そうとは言えませんでした。12件の試験のまとめでは、水分補給を始めてから12時間以内に食べ始めても、点滴・嘔吐・長引く下痢は増えませんでした。食べられそうなら少しずつ食べ始めてかまいません。

下痢のとき、スポーツドリンクと経口補水液はどちらがいい?

入院した大人75人の試験では、スポーツドリンクと経口補水液で回復は同じくらいでした。ただしスポーツドリンクの群ではカリウムが低い人が多めでした。軽ければ飲みやすいもので、下痢が続くときや脱水が心配なときは経口補水液が向いています。

子どもの胃腸炎に、りんごジュースを飲ませてもいい?

脱水がほとんどない軽い胃腸炎の子ども647人の試験では、半分に薄めたりんごジュースのほうが、経口補水液より治療の失敗が少なくなりました。ただし脱水が強い子は対象外です。ぐったりしている、尿が出ないときは受診してください。

胃腸炎が治ったのに、胃の調子が悪いのはなぜ?

胃腸炎のあとに、胃もたれなどの不調が続くことがあります。2025年のレビューでは、ノロウイルスのあとで特に起こりやすいとされています。長く続くときは医療機関に相談してください。

出典

  1. Gregorio GV, Dans LF, Silvestre MA (2011). Early versus delayed refeeding for children with acute diarrhoea. Cochrane Database of Systematic Reviews, CD007296. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6532715/
  2. Freedman SB, Willan AR, Boutis K, Schuh S (2016). Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial. JAMA, 315(18), 1966-1974. https://doi.org/10.1001/jama.2016.5352
  3. Rao SS, Summers RW, Rao GR, Ramana S, Devi U, Zimmerman B, Pratap BC (2006). Oral rehydration for viral gastroenteritis in adults: a randomized, controlled trial of 3 solutions. JPEN Journal of Parenteral and Enteral Nutrition, 30(5), 433-439. https://doi.org/10.1177/0148607106030005433
  4. King CK, Glass R, Bresee JS, Duggan C; Centers for Disease Control and Prevention (2003). Managing acute gastroenteritis among children: oral rehydration, maintenance, and nutritional therapy. MMWR Recommendations and Reports, 52(RR-16), 1-16. https://europepmc.org/article/MED/14627948
  5. Patel P, Bharadwaj HR, et al. (2025). Updates and Current Knowledge on the Common Forms of Gastroenteritis: A Review. Journal of Clinical Medicine, 14(10), 3465. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12112049/