食べもの

アイスを食べると頭が「キーン」と痛くなるのはなぜ? 研究でわかった仕組みと、痛くなりにくい食べ方

約6分で読めます

コーンに盛ったアイスクリーム
Photo: AlphaLemur / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

かき氷やアイスを急いで食べたとき、おでこのあたりが「キーン」と痛くなる。これは国際的な頭痛の分類にも載っている、れっきとした頭痛の一種です。冷たい物が上あごやのどの奥を通ると、そこの神経が反応し、痛みを額やこめかみに感じると考えられています。多くは1分ほどで治まり、ゆっくり食べると起きにくくなります。

3行でわかる

  1. 「アイスクリーム頭痛」は、冷たい物が上あご(口蓋)やのどの奥を通ると起こる、額やこめかみの短い痛みです。
  2. 氷水200mLを一気に飲んだ実験では、77人中39人に起き、痛みは平均12秒ほどでした。脳の血流も速くなり、痛みが出た人ほど大きく変わっていました。
  3. 台湾の中学生8359人の調査では40.6%が経験していました。100mLのアイスを5秒以内で食べると27%、30秒以上かけると13%に起きたという試験があります。

01 悩みの正体アイスで頭が痛くなるのは、どんな頭痛?

国際頭痛分類では「冷たい物の摂取による頭痛」と呼ばれます。冷たい物が上あごやのどの奥を通ったときに起こる、額やこめかみの短い痛みです。

国際頭痛分類(ICHD-3)の4.5.2は、この頭痛を「冷たい物(固体・液体・気体)が上あごやのどの奥を通ることで、起こりやすい人に生じる、短い額またはこめかみの痛み」と説明しています。英語では「アイスクリーム頭痛」「ブレインフリーズ」とも呼ばれます。

診断の基準では、冷たい物を口から離してから10分以内に治まるとされています。実際の研究では、30秒〜1分ほどで消えることが多いと、2023年のレビューはまとめています。

冷たい物だけでなく、熱い物や辛い物でも口の中では強い反応が起きます。辛さで口が痛いときの対処は辛いものを食べて口が痛いときは?で紹介しています。

02 科学的にわかっていること冷たい物で、なぜ口ではなく頭が痛くなる?

仕組みはまだ完全にはわかっていません。上あごの冷たさを感じる神経が反応する説と、脳の血管が急に変化する説が有力です。氷水の実験では、頭痛が出た人ほど脳の血流が速くなっていました。

上あごの感覚は、三叉神経(さんさしんけい)が伝えています。三叉神経は、顔や額の感覚も伝える神経です。そのため、上あごが急に冷えた刺激を、脳が額の痛みとして感じるのではないかと考えられています。のどの奥は別の神経(舌咽神経・迷走神経)が受け持っていて、どこが冷えたかで痛み方が変わる可能性も指摘されています。

冷やし方(同じ77人)頭痛が出た人痛みが出るまで(中央値)
氷水を一気に飲む(のどの奥まで冷える)39人15秒
氷を上あごに押し当てる9人68秒

Hensel Oら(2019)[2]

18〜60歳の健康な77人が、ぬるま湯200mLのあとに、0℃の氷水200mLをできるだけ速く飲みました。ぬるま湯では誰も頭痛になりませんでしたが、氷水では39人に起きました。痛みは約20秒後に始まり、平均約12秒続き、強さは10段階で4.5でした。脳の血管(中大脳動脈)の血流は全員で速くなり、頭痛が出た人では9.3%、出なかった人では4.6%速くなっていました。

対象: ドイツの大学で募集した、頭痛の持病がない人。 / 限界: 血流の変化が痛みの原因か結果かは、この実験からは決められません。以前の研究では血流が遅くなったという報告もあり、結果は一致していません。

Mages Sら(2017)[3]

同じ77人で、氷を上あごに押し当てる方法と、氷水を一気に飲む方法を比べました。頭痛が出たのは、氷を当てたときが9人、氷水のときが39人でした。氷水では痛みが早く始まり(中央値15秒と68秒)、痛み方も「刺すよう」と「押されるよう」で違いました。氷水で頭痛が出た人の26%は、治まったあとに2回目の痛みが来ました。

限界: 実験室で冷やし方を決めて試した結果です。著者らは、頭痛の出方が違うことから、少なくとも2つのタイプがあると考えています。

Bonemazzi Iら(2023、レビュー)[1]

子どもと10代の冷たい刺激による頭痛の研究をまとめました。仕組みとして、上あごやのどの奥が冷えたことで血管が急に縮んだり広がったりする説と、冷たさを感じる神経が直接刺激される説の2つを挙げ、まだ完全にはわかっていないとしています。涙が出る人が多いことは、三叉神経と自律神経の反射が関わる手がかりだと紹介しています。

限界: 研究の多くはアンケートや少人数の実験で、調べ方がそろっていません。

02 起きやすい人キーンとなりやすいのは、どんな人?

子どもや10代に多く、片頭痛がある人や、親が同じ頭痛を経験している人で起きやすい傾向があります。大人になると経験する人の割合は下がります。

Fuh JLら(2003)[5]

台湾の13〜15歳の中学生8359人に聞くと、40.6%がアイスクリーム頭痛を経験していました。片頭痛がある生徒では55.2%で、ない生徒の39.6%より多くなりました。約3分の1の生徒は、頭痛のためにアイスを減らすか、やめていました。

限界: 自分で答えるアンケートです。

Zierz AMら(2016)[6]

ドイツの10〜14歳の生徒283人では62%が経験していました。親の世代では、女性36%、男性22%でした。母親がこの頭痛を経験している生徒は、そうでない生徒よりなりやすく(オッズ比10.7)、父親でも同じ傾向でした(オッズ比8.4)。

限界: アンケートによる調査で、遺伝によるのか、同じ食べ方をしているからなのかは区別できません。

03 今日からできる小さな一歩アイスで頭が痛くならないようにするには?

冷たい物をゆっくり食べ、上あごやのどの奥を一気に冷やさないことです。100mLのアイスを5秒以内で食べると27%、30秒以上かけると13%に頭痛が起きたという試験があります。

Kaczorowski M, Kaczorowski J(2002)[4]

生徒を2つのグループに分け、100mLのアイスを5秒以内で食べるか、30秒以上かけて食べるかを比べました。2023年のレビューによると、頭痛が起きたのは、速く食べたグループで27%、ゆっくり食べたグループで13%でした。

限界: 1回だけの小さな試験です。元の論文の本文は確認できず、数値はレビューの記載によります。

1

ひと口を小さくして、時間をかける

かき氷やシェイクは、一度にたくさん口に入れないようにします。試験では、30秒以上かけると頭痛が半分ほどでした。

所要 1杯につき数分

2

冷たい飲み物は、一気に飲まない

氷水を一気に飲む実験では、約半数に頭痛が起きました。少しずつ飲みます。

所要 数十秒

3

痛くなったら、冷たい物をいったん口から離す

診断の基準では、冷たい物を離してから10分以内に治まるとされています。多くは1分ほどで消えます。

所要 1分ほど

4

2回目の痛みに備えて、少し待ってから再開する

氷水の実験では、頭痛が出た人の26%に、治まったあと2回目の痛みが来ました。

所要 1分ほど

「舌を上あごに押し当てると早く治る」という方法はよく紹介されますが、今回調べた研究の中には、効果を確かめたものは見つかりませんでした。

04 続けるためのコツアイスクリーム頭痛は、心配しなくていい?

冷たい物を食べたときだけ起き、短時間で消えるなら、2023年のレビューは特別な治療は必要ないとしています。いつもと違う強い頭痛や、長く続く痛みは別の原因を考えます。

05よくある質問

アイスで頭がキーンとなるのは、脳に悪い?

冷たい物で起きて短時間で消える頭痛について、2023年のレビューは特別な治療は必要ないとしています。氷水の実験でも、痛みは平均約12秒で治まりました。いつもと違う強い頭痛や長く続く頭痛は、医療機関に相談してください。

どうして子どもの方がなりやすい?

ドイツの調査では、10〜14歳の62%が経験し、親の世代(女性36%、男性22%)より多くなりました。著者らは、大人は痛くなる食べ方を避けるようになる、神経が冷えに強くなる、子どもは口が小さく冷えやすい、といった理由を考えています。

かき氷とアイス、どちらがキーンとなりやすい?

かき氷とアイスを直接比べた研究は、今回見つかりませんでした。実験では、氷を上あごに当てるより氷水を一気に飲むほうが、頭痛がずっと多く起きました(77人中9人と39人)。のどの奥まで一気に冷えるかどうかが関係している可能性があります。

舌を上あごにつけると治るって本当?

よく紹介される方法ですが、今回調べた研究の中には、効果を確かめたものは見つかりませんでした。冷たい物を口から離せば、多くは1分ほどで治まります。

出典

  1. Bonemazzi I, Pelizza MF, Berti G, Ancona C, Nosadini M, Sartori S, Toldo I (2023). Cold-stimulus headache in children and adolescents. Life, 13(4), 973. https://doi.org/10.3390/life13040973
  2. Hensel O, Burow P, Mages S, Wienke A, Kraya T, Zierz S (2019). Increased blood flow velocity in middle cerebral artery and headache upon ingestion of ice water. Frontiers in Neurology, 10, 677. https://doi.org/10.3389/fneur.2019.00677
  3. Mages S, Hensel O, Zierz AM, Kraya T, Zierz S (2017). Experimental provocation of 'ice-cream headache' by ice cubes and ice water. Cephalalgia, 37(5), 464-469. https://doi.org/10.1177/0333102416650704
  4. Kaczorowski M, Kaczorowski J (2002). Ice cream evoked headaches (ICE-H) study: randomised trial of accelerated versus cautious ice cream eating regimen. BMJ, 325(7378), 1445-1446. https://doi.org/10.1136/bmj.325.7378.1445
  5. Fuh JL, Wang SJ, Lu SR, Juang KD (2003). Ice-cream headache: a large survey of 8359 adolescents. Cephalalgia, 23(10), 977-981. https://doi.org/10.1046/j.1468-2982.2003.00620.x
  6. Zierz AM, Mehl T, Kraya T, Wienke A, Zierz S (2016). Ice cream headache in students and family history of headache: a cross-sectional epidemiological study. Journal of Neurology, 263(6), 1106-1110. https://doi.org/10.1007/s00415-016-8098-z