睡眠

寝酒は眠りを良くするのか。「寝つきは早いが、後半が乱れる」研究

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Chris Montgomery 2017
Photo: Chris Montgomery cwmonty / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究をAIが調べて整理しました(独自の実験ではありません。出典は末尾)。

眠れない夜に、お酒を少し飲むとすっと眠れる。寝酒を習慣にしている人もいるかもしれません。確かに研究でも、お酒を飲むと寝つきは早くなっていました。しかし、夜の後半には眠りが乱れ、少量でも体の回復が妨げられることがわかっています。

3行でわかる

  1. 健康な人の研究を集めたレビューでは、お酒はどの量でも寝つきを早くする一方、夜の後半の眠りを乱していた。
  2. フィンランドの4,098人の実生活のデータでは、お酒を飲んだ夜は、少量でも睡眠中に体を休める神経の働きが弱まり、回復が不十分になっていた。
  3. 2026年のレビューは、ワインを含め、お酒は眠りの助けとみなすべきではないとまとめている。

01お酒が「眠りを助ける」ように感じる理由

お酒は寝つきを早くしますが、眠りの質を下げます。「よく眠れた気がする」のは、寝つきの早さを感じやすいためと考えられます。

お酒を飲むと、眠りに入るまでの時間が短くなります。夜の前半には深い眠りが増えることもあります。

しかし、体がアルコールを分解していく夜の後半になると、眠りが浅くなり、目が覚めやすくなります。夢を見ることが多いレム睡眠も減りやすくなります。

そのため、「すぐ眠れた」という実感とは裏腹に、朝起きたときに疲れが取れていないことがあります。

02科学的にわかっていること

お酒はどの量でも寝つきを早くしますが、夜の後半の眠りを乱し、少量でも睡眠中の体の回復を妨げていました。

Ebrahimら(2013)[1]

健康な人を対象にした、お酒と夜の睡眠の研究をすべて集めたレビュー。どの量でも、お酒は寝つきを早くし、夜の前半の眠りを安定させたが、夜の後半の眠りを乱していた。最初のレム睡眠が始まるのは、どの量でもはっきり遅れていた。

対象: 健康な人を対象にした研究のレビュー / 限界: 実験室での研究が中心で、量や条件が研究ごとに異なる。

Pietiläら(2018)[2]

フィンランドの4,098人(平均45.1歳)の心拍を、飲酒した日としなかった日で比べた。お酒の量が多いほど、寝始めの3時間に体を興奮させる神経の働きが強まり、体を休める神経の働きが弱まって、回復が不十分になっていた。この影響は少量の飲酒でも見られ、運動習慣や若さでも防げなかった。

対象: フィンランドの会社員4,098人 / 限界: 飲酒量は本人の申告によるもの。

Chaput(2026)[3]

2015〜2025年の研究をまとめたレビュー。お酒は寝つきを早くすることがあっても、眠りの構造を乱し、レム睡眠を減らし、夜の後半を中心に眠りを途切れさせると結論づけた。ワインに含まれる成分も、眠りに役立つほどの量ではなく、お酒は眠りの助けとみなすべきではないとしている。

対象: 過去10年の研究のレビュー / 限界: 研究の質や方法はさまざま。

厚生労働省(Good Sleepガイド)[4]

良い睡眠のためにできることとして、カフェイン・飲酒・喫煙を控えることを挙げている。睡眠を見直すチェック項目にも「寝酒習慣がある」を含めている。

対象: 国の睡眠に関する健康づくりの指針 / 限界: 一般向けの推奨。

03今日からできる小さな一歩

眠るためにお酒を飲むのはやめ、飲むなら寝る直前ではなく早めの時間に、量を控えめにします。

1

「眠るためのお酒」をやめる

眠れないからお酒を飲む、という使い方をやめます。寝つきは早くなっても、夜の後半の眠りが乱れるためです。

所要 決めるだけ

2

飲むなら早めの時間に、少なめに

楽しみとして飲むなら、夕食時など早めの時間にし、量を控えます。飲む時間が早いほど悪影響が小さくなる可能性が指摘されています。

所要 飲むとき

3

代わりの「眠る前の習慣」をつくる

ぬるめのお風呂、軽いストレッチ、温かいノンカフェインの飲み物など、お酒に代わる寝る前の習慣を決めます。

所要 15分

04続けるためのコツ

寝酒をやめると、最初の数日は寝つきにくく感じることがあります。それでも続けると、朝の疲れの取れ方の違いに気づきやすくなります。

05よくある質問

寝酒について、よく検索される疑問に研究の範囲で答えます。

寝酒は眠りに良いの?

良いとは言えません。お酒は寝つきを早くしますが、夜の後半の眠りを乱し、体の回復を妨げることがわかっています。

少しのお酒なら大丈夫?

4,098人のデータでは、少量の飲酒でも、睡眠中に体を休める神経の働きが弱まっていました。量が多いほど影響は大きくなっていました。

ワインならリラックスできて眠りに良い?

2026年のレビューでは、ワインに含まれる成分は眠りに役立つほどの量ではなく、ワインを含むお酒は眠りの助けとみなすべきではないとされています。

お酒を飲むと夜中に目が覚めるのはなぜ?

体がアルコールを分解していく夜の後半に、眠りが浅くなりやすいためと考えられています。研究でも、お酒は夜の後半の眠りを乱していました。

出典

  1. Ebrahim, I. O., Shapiro, C. M., Williams, A. J., & Fenwick, P. B. (2013). Alcohol and sleep I: Effects on normal sleep. Alcoholism: Clinical and Experimental Research, 37(4), 539-549. https://doi.org/10.1111/acer.12006
  2. Pietilä, J., Helander, E., Korhonen, I., Myllymäki, T., Kujala, U. M., & Lindholm, H. (2018). Acute Effect of Alcohol Intake on Cardiovascular Autonomic Regulation During the First Hours of Sleep in a Large Real-World Sample of Finnish Employees. JMIR Mental Health, 5(1), e23. https://doi.org/10.2196/mental.9519
  3. Chaput, J.-P. (2026). Alcohol, Wine, and Sleep in Adults: Insights from a Narrative Review. Nutrients, 18(4), 585. https://doi.org/10.3390/nu18040585
  4. 厚生労働省. Good Sleepガイド(健康づくりのための睡眠ガイド2023). https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001222161.pdf